ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

先生はYouTuber。6

2020-08-03 03:56:00 | Weblog
陶芸の話。どこまで書いたか・・・。

まぁまぁ上手くなったというところまで書いたか。上手くなったというよりも、少し出来るようななった、というのが正しい。

素焼きの日まで残すところ数日。

のってきた。非常にのってきた。陶芸、楽しい。電動ろくろ、楽しい。うひゃひゃひゃという状態。このまま陶芸のプロになっちゃうっかなぁという状態。
誰しもそうだが、出来る様になると楽しい。少しでも進歩すると楽しい。その先が見たくなる。自分はどこまでいけるのか、いう状態。

陶芸ってのはね、ろくろで挽いて成形した後にやることが山ほどある。
まずは、少し乾かして、手で持ってもグニャっとならない状態になったら、ひっくり返して裏側を削る。高台削りっていうのかな?たぶん。これ、結構面倒くさい。でもたぶん、一番大事。
それから完全に乾かしてから素焼きをする。
素焼きが終わったら、釉薬を掛けて本焼きをする。

さて、のりにのってきた僕はさ、高台を削るわけだ。まぁまぁ上手に出来た作品をひっくり返して、かきべらといえ道具を片手にガリガリと削る。もちろん電動ろくろで。スイッチを入れると勝手に回ってくれるので楽チン。ガリガリと削る。削りまくる。

そしたらさ、電動ろくろがさ、ピタっと止まった。
わかる?
スイッチを切ってないのに、ピタっと止まってしまった。
わかる?
どういうことか、わかる?
スイッチをいじってないのに止まったということは、僕が知る限り・・・壊れた・・・ということになる。

「嘘だろぉ!」と、真夜中のアトリエで叫ぶ、というわけである。

買ってから10時間しか使ってないのに。
いや、 粘土を捏ねたりしている時間を差し引いたら、電動ろくろを動かしていた時間は5時間くらいしかないはずだ。
もう一回叫ぶ。

「嘘だろぉ!5時間しか使ってないのにぃ!」

のりにのっていた僕は、完全にやる気をなくした。だって、電動ろくろが壊れちったから。

僕は5時間しか使っていないが、前の持ち主は百万時間使ったのかもしれない。壊れる前に売ってしまおう!と売りに出したのかもしれない。中古品というのはそういうものだ。当たりもあれば外れもある。

「嘘だろぉ!ハズレを引くなんて!」

もう嫌になっちった。やめたい。もう、やめてしまいたい。なにもかも。

でも、やめるわけにはいかない。なぜならば、素焼きの日まであと数日なのだ。

僕は作業台の上に手ろくろを置く。その上に作品をひっくり返して載せる。

クルクルクルー。ガリガリガリ。
クルクルクルー。ガリガリガリ。

なんで、ろくろを手で回さないといけないんだ。そうつぶやきながら。

うへぇ、めっちゃ大変じゃーん!

ガリガリガリ。クルクルクルー。
ガリガリガリ。クルクルクルー。

人生っつうのは、往々にして、こういうものである。

クルクルクルー。

つづく。