ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

さよなら、はちみつカフェ。8

2019-05-25 03:35:48 | Weblog


ミツバチの巣箱の中には、一万匹から二万匹のハチがいるはずである。そのハチが天気良いというのに・・・全く姿を現さないというのはおかしい。おかしいのだけれど、おかしいという現実を受け入れたくない。なぜ受け入れたくないのかというと、そのおかしさというのは、悲劇に直結しているからなのであり・・・。

巣箱の内見という行為がある。巣門を少し開いてカメラを差し込み写真を撮る。そうやって、時々ハチや巣の様子を窺う。

そう、様子がおかしいなら内見をすればいい。しかし、しかし、しかし、内見したくない。悲劇は、嫌なのである。見たくないのである。受け入れたくないのである。人間とは、そういう生き物なのである。嫌なことからは目を背けてしまうのである。

数日が過ぎる。

ハチ、出てこないなぁ・・・。おかしいなぁ。

あっ、ハチ、出てきた!

巣門から出てきたハチはヨロヨロとしている。普段なら羽を震わせてすぐに飛び立つのに、全然飛び立たないのである。

ヨロヨロと歩いて、巣箱から地面へとポトリと落下するのである。
落下したミツバチは、地面をヨロヨロと歩いてどこかへ消えてしまった。

飛べなくなったミツバチ・・・。

もう、内見するより仕方がない。内見するしかない。

写真を撮った。スマホを取り出して、見た。
・・・ハチが・・・いない。数万匹のハチが・・・いない。

全滅・・・。

僕は・・・そこらへんをウロウロと歩いた。
ハチがいなくなってしまった。ウロウロと歩いて考えていた。ハチが、全部、いなくなってしまった。動揺していた。

はちみつカフェなのに・・・

はちみつカフェなのに・・・。

看板に、偽りありじゃないか・・・。

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