ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ドキドキさせないで欲しい。

2018-06-07 16:35:20 | Weblog


成田空港発、奇跡の森林公園行きのバスというものがある。奇跡としか言いようがない。なぜある?なぜだ?乗る人いるのか?

僕が乗った飛行機の成田空港着時間は、19時20分。
奇跡の森林公園行きバスの発車時刻は、19時45分。

間に合うか?間に合うのか?・・・間に合って欲しい。

台北空港を飛び立った直後、機長のアナウンスがあった。
「台北空港の滑走路の混雑のため、離陸が遅れたことをお詫び申し上げます。成田着も遅れるよ。よろしこ」

がびちょす!

あぁ、間に合わない。奇跡の森林公園行き。

まぁいい。奇跡の森林公園行きはあきらめて、ほかの帰り方を模索する。

さて、成田空港に着いた。

出国審査を済ませて、バゲッジクレームで荷物を待つ。

全然出てこないじゃーん!

僕のバックパックが全然出てこない。なかなか出てこない。

あっ、出てきた。

荷物を背負って、税関を目指す。

時計を見る。

「おや?もしかしたら、間に合っちゃう?」

税関審査の列に並ぶ。

ちゃっちゃっちゃっと抜けて、奇跡の森林公園行きへ!

さて、昔の僕はよく税関で引っかかったものだ。どこの国のどこの空港でもどこの港でも、「おまえはこっちへ来い」と呼ばれてあれこれと調べられた。
最近は違う。もはや格が違う。こんなナリでもちゃっちゃっと通れてしまうのである。良かったなぁ、ちゃっちゃっと通れるようになって。

さて、税関のおじさんが言う。

「台湾ですかぁ」

はい。

「色々周っちゃったりしたんですか?」

はい。

「申告するものはありますか?」

ないです。奇跡の森林公園行きに乗るんです。

「金とか、ゴールドの近年か、持ってたりしませんか?」

いやぁ、残念ながら持ってませんねぇ、えへへ。早く早く。早くしてよ。

「バッグの中とかね、見せてもらっていいかな?」

えっ?まさかのぉ、これはぁ、引っかかってる?
えっ?引っかかっちゃってる?おれ?

税関のおじさんが僕に聞く。

「ここには何が入ってるのかな?」

ここにはねぇ、えっと、何だったかな?
あぁ、カメラのレンズを拭き拭きするやつ。

「ここには何が入ってるのかな?」

ここはねぇ、えっとぉ、ライオンの人形。

「ここには何が入ってるのかな?」

もう!絶対間に合わないじゃん!バカ!

税関のおじさんが、僕のバッグの中から何かを取り出した。

「これは?これは何?」

えっ?それ、なんだっけ!!!?
そんなの入れてたっけ!!!?
そんなビニールのパケに入れた怪しいもの!!!?

あっ、それはウーロン茶!

台北のお茶屋でお茶を飲んだ時、余った茶葉をビニールの小袋に入れてくれた。それをバッグのポケットに入れておいたのを忘れていたよ。

税関のおじさんが言う。

「一瞬、ドキっとしちゃいましたよ」

おれもっす。おれもドキっとしちゃいました。

あぁ、おれの後ろに並んでた人、可哀想だったなぁ。だって、全然行かせてくれないんだもん。おれのせいじゃないよ。

そんなわけで、奇跡の森林公園行きのバスを逃した僕は、1時間も待って、準備奇跡の坂戸行きのバスに乗り込むのである。

奇跡の坂戸行きのバスの乗車人数・・・4人。ある意味、奇跡の4人。

赤字だよ、赤字。

赤字なのにバスを走らせてくれて、本当にありがたいっす。

そんなわけで、なんとか無事に帰国しました。

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