「椎茸を食べたくなったらどうするの!!お金がなきゃ椎茸が買えないじゃん!」
「椎茸が食べたかったら、椎茸を育てればいいんです。いいもんですよぉ〜椎茸栽培」
「お金がなきゃ椎茸を育てられないじゃん!!駒はどうするの!!?椎茸菌の駒がないじゃん!」
「椎茸菌の駒が買えないなら、拾ってくればいいんですよ。いいもんですよぉ〜拾ってきたもので椎茸栽培」by 黒板じゅんと黒板シング。
椎茸の原木栽培を始めて三年目。投資した金額、まぁまぁ。そろそろ出てくれないと・・・椎茸。泣くぞ、椎茸。
春は出なかった。一個も。秋には出てくれないと・・・泣くぞ。椎茸。
椎茸原木栽培の話は、このブログで何度か書いた。実のところ、もはやあきらめムードになりつつある。向いていないのかもしれない。それでも、コツコツと、毎朝、立てかけた椎茸の原木に水をかけたりしている。
いやぁ、椎茸食べ放題への道は、遠いんですねぇ。
とか、言ってはいられない。そんなに悠長なことは言っていられない。という現実がここにはある。
なぜか?
それはね、椎茸を食べたいからだよ。僕は。買わない椎茸を食べたいからなんだよ。
さて。
椎茸農家の知り合いの話は書いたっけ?どうだったっけかな?
まぁいい。小笠原で漁師をやっていたという人と、知り合いになったのはなん年前か?なん年前かは忘れたけど、まだ繋がっている。その人が二年ほど前に、椎茸農家を継いだ。血縁でもなんでもないのだが、潰れかけた椎茸農家を継いだ。
その椎茸農家から椎茸をもらうのかって?違う。ノンノンノン、違う。そんなに安直な話ではない。
テーマは、拾う。僕が敬愛して止まない黒板五郎は、いつだって拾う。人が捨てたモノを拾う。僕は五郎さんになりたいんだよ。
その椎茸農家は、原木ではなく、菌床を使って椎茸を育てる。
菌床っていうのは、オガクズとフスマを固めたものに椎茸菌を植え付けて培養したもの。フスマとは、小麦の糠。
椎茸農家は、大量の菌床を使う。そして、椎茸が出なくなった菌床を大量に捨てる。椎茸農家の裏の空き地に大量に捨てる。
積み上がった廃菌床の山を見て、僕は思う。
「これは、畑の肥料にはならないか?」
オガクズもフスマも自然素材。つまり有機物のかたまり。
積み上がった廃菌床は、雨風にさらされている。
掘ってみると、そこには腐葉土と化した廃菌床。いや、ただの腐葉土。そして、大量のカブトムシの幼虫。
「ほぉ、これは使える」
それから、ちょくちょく、ちょこちょこ、腐葉土をいただきに椎茸農家の裏の空き地へと足を運ぶ僕なのである。
ただただ、その作業が・・・過酷なのである。
カブトムシの幼虫や、ゴミや、木屑や、様々なものを除けながら、ガラ袋に20キロほどの腐葉土を詰める。運ぶ。ジムニー号の荷台に積む。それをだいたい12袋。これがジムニー号に積めるマックス。240キロ。詰める、運ぶ、積む。畑へ行く。240キロ、降ろす。運ぶ。撒く。時には、一日に何度も。おれは奴隷か?何の奴隷だ?と思ったりしながら・・・?
たまに、捨ててある廃菌床から椎茸が生えている。
食べられそうなやつは貰う。だが、あまり食べられる椎茸はない。超スーパー巨大椎茸とか、虫が付いた椎茸とか・・・そんなにうまくはいかない。
ふと思った。僕は、ふと思った。
おれも、菌床栽培をすればいいんじゃない?出来るんじゃない?
つづく。