ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

グッドイブニング台風の山部。

2018-10-06 22:51:01 | Weblog
富良野へたどり着くと、「ただいま」という気持ちになった。

テントを張る山部へたどり着くと、「おかえり」と言ってもらえているような気持ちになる。

僕の今の暮らし方は、ここから始まった、

山部のキャンプ場の目の前に、一台の廃バスが置いてあり、「無料」と書いてあった。

そこに泊まり、そこで過ごした。何日も何日も。

そこには薪ストーブがあり、廃バスの裏には五右衛門風呂があった。沢の水を引いて水を溜め、薪をくべて湯を沸かす。風呂の準備を始めてから風呂に入れるまで、優に二時間。

こんな生活がしたいと、初めてここで思った。

今の僕の、始まりの場所が、ここ山部にある。

その場所は、今はもう無くなってしまった。

地主の佐藤さんが癌で亡くなった。

今は、廃バスも撤去されて、薪ストーブも撤去れて、椅子もテーブルも洗濯機も薪小屋も五右衛門風呂も撤去されて、何もない。

そこにはただ、夢の跡のような草が生えているだけ。

もう二度と、あんなに素敵な場所に出会うことはないと想う。
もう二度と、あんなに好きになる場所に巡り会うことはないと想う。

でも、きっと、また素敵な場所に出会える気もする、
自分の中の何かを変えてくれる、的な場所に出会える気がする。

グッドイブニング台風の山部。

だからきっと、僕は旅をするのだと想う。
だからきっと、僕はまだ旅を続けるのだと想う。



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