今日は銀河鉄道に乗り込んで眠る。
同宿者は一人。彼の名は竹下くん。
ご飯はどうするの?と聞くと、キャンプみたいな感じ、やってみたいです!と言う。
じゃあ、君の車でエーコープに買い物に行くから、助手席を片付けなさいと僕が言う。
竹下くん、助手席を片付ける。
興部のエーコープには魚がない。こんなに海のそばなのに。ひどい。
安くて旨い地場魚の海鮮丼を作って食べようと思ったのに。
北海道らしいもの・・・北海道らしいもの・・・。
ジンギスカン!
セイコーマートのジンギスカン。もやし、キャベツ。
僕が料理をしている間、竹下くんはしきりに感心している。
竹下くん、車中泊をしながら軽自動車で北海道を旅している、
長袖Tシャツ一枚で、夜の興部の空の下に座っている竹下くん。「上着を着ておいで」と僕が言うと、車へ上着を取りに行った。
帰ってきた竹下くんを見て僕は言う。「上着を着ておいで」。
竹下くんは言う。「上着、着てきました」。
竹下くん、それは上着やないで!竹下くん!それは薄手のパーカーやないか!
グッドイブニングオコッペ。
竹下くんはきっと二週間後に車の中で凍っているところを発見されるのかもしれない。発見されると思う。発見されるんじゃないかな。
竹下くんは言う。
神奈川の冬の格好で来ちゃいました。テヘ。
竹下くん、違うで。
神奈川の冬でも、ロンTと薄手のパーカー一枚では過ごせへん。過ごせへん。過ごせへん。