ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ハチの話。10

2020-10-04 00:20:00 | Weblog



オザワジィの栗林。立っているのはオザワジィ。
オザワジィは陶芸の仲間である。
オザワジィはカエルの置き物を200個くらい作る。200個も作ったカエルをどうするか?みんなにあげるらしい。
今年の初めには、ネズミの置き物を100個くらい作った。事情により、新年の窯入れには入りきらず、ネズミの置き物100個は6月頃の焼き上がりになってしまった。オザワジィは言っていた。「干支の飾りを6月に配るってのもなぁ・・・」。

オザワジィは書道の達人でもある。書道の先生をしていたりもする。
オザワジィのカエルの置き物をひっくり返すと、なにやら紙みたいなものが見える。その紙を引っ張ってみると、オザワジィの達筆で書かれたメッセージが出てくる。

オザワジィは栗林を持っているくらいだから、畑もたくさん持っている。栗林の向かいにそこそこ大きめの畑がある。そこに植わっているのは全部サツマイモである。オザワジィに聞くと、全部で500本植えたそうだ。株間30センチだとして、ざっと150メートル。150メートルの高畝を作って、そこに150メートルのビニールマルチをかけて、そのマルチに土を被せて風に飛ばされないようにする。ちょっと目眩がする。オザワジィが全部人力で一人でやったらしい。目眩がする。ちなみに、僕のサツマイモの畝は、5メートル。たったの5メートル。

僕がトコトコと歩いていた時期。朝の5時くらいに家を出てトコトコと歩いて、7時くらいに小学校のそばを通りかかると、見知った顔が前方に見える。オザワジィが、小学生の後ろをトコトコと歩いている。小学生が僕に言う。「僕らは毎日3キロの道を通ってるんだよ。300メートルじゃないよ、3キロだよ」。
ほぉ。僕は思う。道のりを考えると、オザワジィは自分の家から小学生の登校班の出発場所まで、そして小学生を送り届けたあとで自分の家へと帰るまで・・・7キロは歩いていることになる。それは毎日のことなのである。

オザワジィ、御歳78か79。凄まじいパワーの持ち主である。すごく小柄でチャーミングなんだけどね。


オザワジィからたまに電話がかかってくる。なに?と聞くと、「間違えてかけちゃった」とか言う。
先月のはじめ頃、オザワジィから電話がかかってきた。「また間違えちゃったのかな?」とか思いながら電話に出ると、話の主はオザワジィの奥さんだった。

オザワジィが倒れた。


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