ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

思い出を少しだけ。

2018-10-18 07:05:01 | Weblog


雪月花廊にトトはいない。
雪月花廊にトトはいる。

6年前にちょこっと立ち寄った旅人のことなど、トトもカカも覚えてはいない。

ただ、僕が覚えているというだけのことだ。

僕はカカに話す。僕が雪月花廊で過ごして数日間のことを話す。

トトがいつも「腹減ってないか?」と聞いてくれたこととか、僕に何かを食べさせてくれたこと。シチューとか肉豆腐とか。
カカが「寒いからどうぞ」とロイヤルミルクティーとかアップルケーキとかを食べさせてくれたこととか。
僕は旅の最後でお金がなくて、お金を払って食べたものなど何一つなかったこととか。

カカは言った。
「そんなに優しかったの?」

ははは。そんなに優しかった。すごく暖かかった。

トトもカカも、すごく優しくて温かくて、雪月花廊がとても暖かかった。

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