たとえば、雷雨の予報が出ている中、小雨がパラパラと降り出した空の下で。
汗だくになって立てた8本の畝に、落花生と小豆の種を埋めていく。
芽が出たところを鳥にイタズラされないように、畝を不織布で覆い、風で飛ばされないようにピンを打つ。
全ての畝の間に強靭な根を張っていた草も九割方取り除いた。
やるべきことはまだまだあるが、全てのことをやる切ることなんて出来はしない。そんなことは知っている。そして、僕はつぶやく。
「やれるだけのことは・・・やった」
僕は小さなリュックサックの中に、荷物を詰めている。リュックサックの背中には小さなライオン。僕の相棒。
どこへ行くんだい?
「どこへ行こうか?」
今回は荷物が少し小さいな?
「そう、そんなに遠くないところへ行くからね」
傘は持ったかい?きっと雨だよ。
「小さな傘をバッグに入れたよ。どうせどこへ行ったって雨は降る」
準備は万端だ?
「さぁ、行こう」