カカと話していると、サイドカーくんが起きてきた。
サイドカーくんは、カカのいう「トトのことを知らない人たち」の一人である。
サイドカーくんは、トトのことは知らないが、今年三度目の雪月花廊。えらく気に入っている。
僕は言う。トトのことは知らないが、雪月花廊が大好きなサイドカーくんに言う。
「奥の部屋、観に行こうか?」
雪月花廊には色々な部屋がある。トトが作った部屋。トトの趣味の部屋。そこに泊まれる。
古い校舎の一番奥にあるウェスタン部屋の扉を開けた。
サイドカーくん、絶叫。
「なんだここ!!!すげぇ!なんだこれ!泊まりてぇ!」
サイドカーくん、感激。
「トトさん、すごいっすねぇ!」
たとえば、これが、雪月花廊なんだよ。ねぇ、トト?と僕は思う。