アンパンマンの誕生にはね、やなせたかしの戦争時代の体験が大きく関わっているんだよ。
やなせたかしの言葉の中に、そういったものがいくつもある。
「戦争中、行軍したり泥の中を這い回ったりしても、一晩寝ればなんとかなる。ところが、飢えはどうしても我慢できない。」
「食べられないというのはものすごくきつい。飢えれば人肉だって食べようという気持ちになるんだから。」
「仕方がないんで、その辺の野草を煮て食べたりしたんです。まずいのもあるんだけど、大体が酸っぱいんです。」
「正義のための戦いなんてどこにもないのだ。正義はある日突然逆転する。正義は信じ難い。」
「逆転しない正義とは献身と愛だ。それも決して大げさなことではなく、目の前で餓死しそうな人がいるとすれば、その人に一片のパンを与えること。」
「困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても《正しいこと》に違いありません。絶対的な正義なのです。」
そんなわけで、アンパンマンは・・・深い。という話。
正義はある日突然逆転する。正義は信じ難い。
天皇は神だと教えられ、天皇のために命をかけて戦って、戦わされて・・・ある日突然「やっぱり天皇は神じゃなかったよ」と言われた人々の気持ち。
正義を突き詰めて、アンパンマンが誕生したという、そんな話・・・なんだよなぁ。