ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

全部時代のせいだから。

2018-06-04 23:06:48 | Weblog


世界を変えたのは何か?
世界を変えたのは、蒋介石でもなく、毛沢東でもない。
世界を変えたのは、スマホだ。

僕が世界を旅をしていた頃とは違う。
今は便利な世の中だ。
宿を探すのに、重いリュックを背負ったままホテルを一軒一軒回る必要はない。スマホを使って、安いベッドを探して、ポチッとすればいい。世界は変わった。

行きたい場所へ行く時に、小銭を握りしめてバスに乗り、運転手に行き先を告げ、目的地に着いたら教えてもらってバスを降りる。そんなことはしなくてもいい。そんな時代じゃない。スマホの地図に全部出てくる。乗るべきバスも、降りる停留所も。かかる料金さえも。時代は変わった。


台北の永康街。葱油餅で有名な屋台がある。クロワッサンのような葱油餅が美味しい。夜になると大行列のその店も、昼間はそれほど並ばずに買える。

葱油餅を買った僕は、葱油餅が入った袋をぶら下げて公園のベンチへ。

ベンチに座っていると、ひとりの青年がお盆に紙コップをたくさん載せて公園の入り口に現れた。
通りすがりの観光客に紙コップに入ったお茶を配っている。試飲というやつだ。ベンチで葱油餅を食べている僕にこそお茶が必要なのだけれど、もたろん、僕のところへはお茶を持って来ない。なんでだ?

お茶を配っては、お店のカードを渡している。
相変わらず気温は高い。陽射しも強い。・・・きつい仕事だ。

葱油餅・・・これ、どうやって作るのかなぁ?などと、僕は思っている。

お茶屋の店員の青年は、お盆をそこらへんに置いて、スマホをいじりはじめている。

葱油餅・・・これ、旨いなぁ。もう一個食べるかなぁ?などと、僕は思っている。

お茶屋の店員の青年は、お盆をそこらへんに置いたまま、日陰に入ってスマホをいじっている。

葱油餅・・・これ・・・

お茶屋の店員の青年は、日陰に入ってしゃがみこんで、スマホを横向きにして、両手でスマホをいじっている。

ねぇ、ゲームしてんじゃん!それ!

ははは。あいつ、全然仕事しないじゃん。
見つかったら怒られるぞ。


世界を変えたのは、蒋介石でも毛沢東でもない。
世界を変えたのはスマホだ。

屋台のおばちゃんが、暇つぶしに、椅子にもたれかかってスマホをいじっている。目の前を通り過ぎるお客には目もくれない。そんな光景を何度も見かけた。

旅も変わった。

世界も変わった。

これから訪れる未来が、楽しみで仕方がなくもない。

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