ぴゃんは熱き人である。どうしようもなく。
僕らは少し大人になって、こうみんかへ顔を出すことも少なくなった。
時々ぴゃんから電話がある。話を聞いてみると、地元のヤンキーたちを集めてバンドをやらせるから、教えてやって欲しいとか、訳の分からないことを言いだしたりする。
仕方がないので行ってみると、ガチンコファイトクラブみたいなことになっていてりする。しかも、テレビ的なやつじゃなくて、リアルなやつ。
リアルさっき駅で盗んできたバイクでやって来て、リアルさっき決めたシンナーの匂いをプンプンさせて・・・僕はふと思うのである。・・・ぴゃん、おれは竹原慎二みたいに強くないから・・・負けちゃうから・・・とね。
ぴゃんは、こう思っているのである。こいつらをバンドで更生させよう!ってね。シングたちを更生させたみたいに、こいつらも更生させよう!ってね。
馬鹿馬鹿馬鹿。おれたちなんて、全然悪くなかったっつーの。
実際、何度か教えに行って、仲良しになって・・・そのあとどうしたんだっけなぁ。
やつらはもう来なくなっちゃったんだっけなぁ。やつらはやつらで忙しかっただろうしなぁ。
やつらのうちの何人かは、そのあとヤクザかヤクザまがいの仕事に就いて、死んでしまったっていう話を聞いた気がする。なにぶん、リアルガチなやつらだったものでね。
そんなぴゃんなものでね。余計なこと、やらなくていいことをたーくさんするものでね。それが生き甲斐、スクールウォーズの山下真治みたいなものなのでね。敵も多くてね。色々とあった。
バンドのライブの打ち上げを、ぴゃんの家でやったりする。
ぴゃんは早々に酔っ払ってしまい寝てしまう。
ぴゃんが寝た後も、みんなでワイワイ朝まで盛り上がったり。
たとえば、そこに未成年がいたりする。別に未成年がいたって構いはしない。酒が飲みたきゃ飲めばいい。ほどほどになら飲めばいい。自分の責任で。そんなものは当たり前の話である。
誰でも彼でも、酒が飲みたきゃ飲むのである。スーパーやコンビニで買って、勝手にそこら辺で飲むのである。そんなの昔から普通。普通のこと。なんの問題もない。はず。でしょ?
なんの問題もないはずのことが、どこでもかしこでも行われていることが、時々問題になったりする。
つづく。