蜂箱を置いてから一週間。
オザワジィから電話があった。
オザワジィが言う。
「栗林を見に行ったんだよ。そしたらな、蜂が飛んでるんだよ」
えっ!蜂が入ったのか?マジか!
「えっ、蜂が入ったんですか?」
オザワジィは言う。
「上を見上げると栗の枝の間に空が見えるだろ?そこにな、五匹くらい飛んでるんだよ」
えっ?マジか?それは蜂なのか?
「えっ?蜂箱に蜂が入ったんですか?」
オザワジィは言う。
「上を見上げるとな、栗の枝の間に空が見えるだろ?そこにた、五匹くらいな、蜂が飛んでるんだよ」
オザワジィ、それはさっき聞いたよ。蜂箱に入ったのかって聞いてんの。
「えっと、蜂箱に入ったってことかな?」
オザワジィは言う。
「空を見上げるとな、栗の枝があるだろ?その間をな、蜂が五匹くらい飛んでるんだよ」
オザワジィ、まだ言うか?それをまだ言うのか?それは聞いたって言ってんの。
「蜂箱に入ったのかなぁ?ハチ」
オザワジィは言う。
「うん、入った」
ちょっとよくわからない。よくわからないよ、オザワジィ!
「今、行きます!」
ジムニー号でオザワジィの栗林へ向かう。
向かう道中に思うのである。
「宝くじ、当たっちゃったのか?そんなことがあるのか?ミツロウだけで入るのか?そんなことあるのか?」
果たして、ハチは蜂箱に入っているのだろうか?