9月下旬のある日、女房を私が運転する車に乗せて買い物に出かけていたとき、何を思ったのか「この頃咲く『萩』の花には“ひっつきむし”がなっているね」と突然言い出しました。
また更に続けて、私が小さい頃、お母さんから「“いっとろべ”を付けてどうしたの」と良くいわれていたとのことでした。
この話で、“ひっつきむし”と“いっとろべ”について、少し調べてみようかと思いました。
ウイキペディアによると、“ひっつき虫(ひっつきむし)”は、動物の体やヒトの衣類に張り付いて分布域を広める種子散布様式をもつ植物の種子(果実)の俗称。表面に独特の構造(フックや逆さトゲなど)または粘液をもつ。くっつき虫ともいう。ひっつきもっつき、あばづぎ、ばかと呼ぶ地方もある。運ばれるのは種子そのものではなく、散布体としての果実や、あるいは小穂である場合が多い。しかしたいてい果肉は薄く、日常感覚では種子と捉えられるものが多い。
ということでした。
「ひっつきむし」の代表は、オオオナモミやセンダングサ、イノコヅチではないでしょうか。
また、“いっとろべ”については、兵庫県・西播地方(兵庫県の南西部)と岡山県・備前地方(岡山県の南東部)の一部でそう呼ばれていたとのことなので、一地域での方言ではないかと思います。
萩の“ひっつきむし”は、夏から初秋に豆の入った莢(さや)をつけます。
深くくびれた豆莢でくっつき、「ひっつき虫」、「アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)」と呼ばれています。
アレチヌスビトハギは繁殖力が旺盛で、群生して他の草花の生えている場所を奪い、人の衣服や動物の毛にくっついてタネを運ばせ、落ちた場所でまた繁茂します。
豆莢は触るとざらざらしていて、服にくっついてきたので、ハギの仲間ではないようです。
マメ科ヌスビトハギ属で多年草です。原産地は北アメリカでわが国においては帰化植物です。