環境省Hp「代表的な湧水」で、兵庫県の『神戸市西区の湧水』として3か所記録されています。
私の出身地の山口市にも「朧の清水」、「藤の水」、「柳の水」と呼ばれている『山口三名水』があります。環境省にはその内の一つ、滝町(旧、法泉寺)の「柳の水」が登録されています。
その関係もあり、西区の湧水に興味を惹かれました。
今回(2014/3/25/TUE)はその内の、「弘法大師の清水」を訪ねました。
9世紀に弘法大師が諸国を行脚し、庶民の苦しみを救ったという伝説のひとつで、明石川よりやや高いところにあるこの地域の人々が飲料水に困っていたので、弘法大師が杖でこの場所を突くと、こんこんと清水が湧き出したと伝えられています。
が、残念ながら、現在は枯渇しています。
目的の場所は不案内でしたが、「多分、中村バス停付近で、明石川と並走する林崎疎水路より西の山中...」との見当を付けていきました。
所在地は“西区平野町中津”となっています。
行ってみると、それほどわかり難い場所ではありませんでした。
R175からだと、福中の交差点を西に直進すれば、明石川に架かる中津橋と県道377号に至ります。この交差点を南に進むと「中村」バス停があります。
ここから更に約180m南に進むと、道路右手に「弘法大師御霊泉此ノ上」と書いた石の標柱を確認することができます。
(写真は北向きで撮影)
この標柱が立っている細い道を西方向、山の中へと進んでいきます。
民家が切れる所を右に歪曲した道なりに進まず、正面に見える水門に向かって行きます。
この水門は「林崎疎水路」からの取水用のもののようです。
左手のコンクリートで設えられた階段をあがり、そのまま林崎疎水路を渡ります。
林崎疎水路を超えると、正面に国土交通省が設置した境界標(コンクリート杭)があります。
ここを更に山中へと進んで行くと山道は右にまがり、行き止まりとなります。
この曲がり角、真正面に、根元に大きな洞がある木が見えますが、かつてこの根元付近に清水が湧いていたようです。
右に曲がった突き当りには「井ケ谷 弘法大師不動堂」という簡素なお堂があります。
かつて『弘法大師の清水』があったであろうと思われる場所の少し手前、山道の曲がり角に、山の“木の下水”を溜めるようにした容器が置いてあり、脇に設えられた竹柵に柄杓が掛けてありました。「井ケ谷 弘法大師不動堂」にお参りする際の手水のようです。
残念ですが、この山水は「弘法大師の清水」ではありません。
【関係サイト】
○ 環境省HP「代表的な湧水」
○ 神戸市西区Hp 神戸まるごと田園ミユージアム構想 平野町 弘法大使の清水
○ 山口市文化政策課 甦れ歴史空間大内文化まちづくり 大内文化の地域資源 山口三名水
★ Hatena::Diary ikazuti-dのDAISUKEさん
(柳の水の維持に力添えされた方)のBlog
2013/2/25 山口三名水の最後のひとつ、柳の水。その水を守っている人たちに出会った。柳の水を守る会
2013/3/5 山口三名水の最後のひとつ、柳の水は願いの叶う水。山口は飲める湧水のある街なのだ。
2013/3/9 柳の水への道。山口三名水の最後のひとつ、柳の水の参道の石畳が完成!!
2013/3/10 柳の水は、ここですよ。
2013/3/21 山口三名水、最後のひとつ柳の水がサンデー山口に掲載されました。みほり峠いきいきサロン
2013/3/24 単純に美的感覚の違いなのかもしれない。山口三名水、柳の水。
2013/3/31 山口は県庁のすぐ裏の山に天然の湧水がある町。
【関連記事】
○ 松本の自噴泉/神戸市西区の湧水
○ 野中の清水/神戸市西区の湧水
<水つながりで一言>
私が卒業した高校(県立山口高等学校;旧制県立山口中学校)の大先輩である種田山頭火が詠んだ俳句(自由律俳句)にも、“水”を読んだものが多々あります。
一部を紹介すると、
・水音の絶えずして御仏とあり
・濁れる水の流れつつ澄む
・こんなにうまい水があふれてゐる
・ふるさとの水をのみ水をあび
・ここまでを来し水飲んで去る
・飲まずに通れない水がしたたる