私は現在、跳ね上げ式フレームの眼鏡を愛用しています。昨年4月中旬に購入したものです。眼鏡のフロント部を前に跳ね上げる単式タイプです。「跳ね上げ式眼鏡」は、昔、老眼鏡が必要になった人が書物を読んでいて遠方を見なければならなくなったとき、掛けている老眼鏡を外す不自由さを解消するために作られていました。昨今では、サングラスタイプの「はねあげ式眼鏡」を若い人がお洒落と実用を兼ねて利用するケースが増えているようです。
跳ね上げ式眼鏡の用途は一般的には跳ね上げ老眼鏡、跳ね上げ遠近両用眼鏡、跳ね上げ保護眼鏡、跳ね上げサングラスですが、私の場合は跳ね上げ近眼鏡です。
子供の頃から近視で、眼鏡とともに人生を歩んでいます。55歳を過ぎた頃から、眼鏡を掛けていても新聞などの小さい文字が見難くなってきました。3年位前からは、近視の眼鏡を外して書物を読むようになっていました。
老眼が進行していたのです
眼鏡を外すと机の上や身の回りに適当に置いてしまうため、いざ掛けようとしたとき直ぐに眼鏡を取ることができず、不自由な思いをしていました。
そんなとき、昔の文学者が跳ね上げ式の丸眼鏡を掛けていたのを思い出し、「これだ!」と思いました。翌日から区内のメガネ店を軒並み訪ね歩きました。しかし、どの店も複式跳ね上げサングラスばかりで、イメージする単式タイプの跳ね上げフレームを置いていませんでした。仕方なくパソコンに向かい“跳ね上げメガネ”と打って検索すると、何と、勤務先近くの商店街にあるモリタ時計店が結果リストに表示されたではありませんか!
クリックしてホームページを見ると、イメージしていた跳ね上げ式フレームが写真付きで紹介されていました。
翌日、早速モリタ時計店を訪ねました。お店は今流行のサロン風ではなく、私が子供のころから慣れ親しんだ、小じんまりとした何処か懐かしさを感じさせる『眼鏡屋さん』でした。店頭には、同店Yahoo支店ホームページに写真が掲載されていた人物がおられ、何となく嬉しくなりました。この方は店主のご子息、若旦那です。
跳ね上げ式の眼鏡が欲しいことを伝え、フレームを選び、目の度数を測ってもらいました。若旦那は度数を測りながら、
「自分ができるのはここまでなので、父親が帰るまでもう少し待ってもらえますか?」
と申し訳なさそうな表情で喋りました。
そうこうしている内に、一見頑固そうな感じの年配の店主が帰ってこられました。若旦那は手短に現状を話し、ご主人にバトンタッチされました。ご主人は乱視の測定をし、経験則を加味した調整をするなど、そしてその根拠などを説明するなど、親切な対応をしていただき大変満足しました。
若旦那が「自分ができるのはここまで」と言われたのは、経験則を加味した調整のことかなと思いました。
ご主人の話では、やはり近眼用の眼鏡を跳ね上げフレームで作る人は少ないとのことでした。
買い求めたのは、三工光学社製“SlenD”(スレンディ)SD-712Bです。それまで使っていたものより小型になりましたが、フレームの色が従来のものに近く、掛け替えたときのイメージが大きく変わらないのでとの若旦那の勧めで決めました。
眼鏡の付け外しをしなくて良いので、とても重宝しています。