WHO(世界保健機構)は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、2020年7月19日(日)に「『3C』を避けよう!」と呼びかけました。
これはわが国が以前から呼びかけていた「3蜜」と同じものです。いいかえるなら、焼き直しです。
これは日本政府が経済再開に向けた戦略について海外広報に力を入れ始めたことの証だと思います。
「3蜜」=「3つの蜜」とは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大期に集団感染防止のため総理大臣官邸・厚生労働省が掲げた標語です。
3月1日、厚生労働省は新型コロナウイルスの感染拡大の予防策として、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントなどでは1人の感染者から複数に感染が広まった事例が報告されていることを念頭に、集団感染(クラスター発生)の共通点として、
・換気が悪く
・人が密に集まって過ごすような空間
・不特定多数の人が接触するおそれが高い場所を挙げ、注意喚起をしました。
また、3月28日には、安倍晋三内閣総理大臣が記者会見で厚生労働省が注意喚起した上記の「3つの密」を避けるように呼びかけました。
この呼びかけは国内に留まらず、英語版と中国語版で海外にも発信されました。
英語版では、「Three Cs」
・Closed spaces
・Crowded places
・Close-contact settings
中国語版では日本語版と同じく「3密」
・密閉空间
・密集场所
・密切接触场面
としています。
しかし何事も揶揄したい人々はいるものです。
この「3蜜」にしても、中国共産党総書記(国家主席)の名前「習近平」をもじって、
・集=人が集まる場所を避けよ。
・近=近距離での会話や交流を避けよ。
・閉=閉鎖、又は密閉されている、換気の悪い環境を避けよ。
としていることが窺えます。
外国から見て日本の新型コロナ対策を「成功」と評価しながらも、「ミラクル!」と不思議がる人が多いのは事実です。
欧米で感染流行が拡大する前、日本はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」への対処で「失敗した」と見なされ、「感染要注意国」のレッテルを貼られました。
欧米で感染爆発が始まり、外出禁止や都市封鎖(ロックダウン)を行なう国々が続出してからも、日本では満員電車で通勤し、花見に集まる人びとの姿が映し出され、イタリアやアメリカに続いていつ感染爆発を起こすのか、と注視されていました。
なぜ日本は第一波感染拡大を抑え込めたのでしょうか。多くの人がその理由を探しています。
これに対して、BCGの小学生低学年での接種による皆国民制、拡大感染するウイルス変異株の違い、医療レベルの高さ、遺伝子の相違、肥満率の低さ、更には「一般民間人の意識の高さ」、神風などさまざまな仮説や自説が飛び交っています。
47都道府県に400以上ある保健所や市町村などの保健師を含む、公衆衛生従事者の貢献や、少しの感染は見逃しても大きく感染が広がりそうなところを叩いていくといった、「木を見て森を見ず」は拙い(まずい)とし、更に一歩進めて「森を見て全体像を把握する」という日本人独特の考え方などがあげられると思います。
これらの在り方が、WHOの「『3C』を避けよう」という呼びかけに繋がっているのだと思います。
また、最近では炎天下でのマスク着用による「熱中症」などの危険回避のために「3トル」を唱え始められています。また、十分な水分を採ることも重要だと言っています。
医師は外出時に心がける以下の「三つの取る」を提唱しています。すなわち
①人とはなるべく2メートル以上の距離を取り、
②十分な距離を確保したら、マスクを外す(取る)、
③水分を取る。の「3トル」です。
【関係先】
〇 WHO(World Health Organization)COVID-19