《後発事象》
2020年3月11日(火)、WHO(事務局長;テドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)はジュネーブの記者会見で「COVID-19は今やパンデミックであると言える」とやっと表明しました。11日現在、欧米カナダの感染者数は19,099人、死者数は 745人となっています。ちなみにこれに対して日本の感染者数は567人 、死者数は12人です。ただし、クルーズ船の感染者と死者は含んでいません。
今年は1月になってからテレビなどでは、中華人民共和国の中部、湖北省の東部、長江とその最大の支流漢江の合流点に位置する都市・武漢発の新型コロナウイルスの話題で持ち切りです。
如何にもこの時期に発見されたウイルスのような扱いですが、発見は2019年12月とのことです。
下図はコロナウイルスのモデル図とサーズの顕微鏡写真です。
それでは、コロナウイルスとはどの様なものなのでしょうか。
コロナウイルスとは表面に存在する突起によって太陽のコロナのような外観を持つことからこの名が付きました。
ウイルスの増殖は細胞質内で行われます。HA(赤血球凝集反応;動物赤血球表面と結合する性質を持つウイルスの定量に用いられる反応)を示す種が存在します。
既知のコロナウイルスと異なるものとして、よく知られているSARSコロナウイルスがあります。
コロナウイルスの多くは風邪を引き起こし、重症となるものでは死に至ります。
風邪の10~15%(流行期35%)の原因を占めるものとしては、1960年代に発見されたHCoV-229EやHCoV-OC43があり、2000年代に入って発見されたものにHCoV-NL63やHCoV-HKU1があります。
重篤化するものとしては、中国広東省(珠江デルタ地帯付近)を起源とした、SARS(サーズ 重症急性呼吸器症候群)があります。これは2002年に発見されたSARS-CoVによるもので、キクガシラコウモリが自然宿主であると考えられています。
また、同様に重篤化するものとして、サウジアラビアで発生したと言われ、感染源や感染方法は全くわかっておらず、薬・治療方法は全くないとされているMERS(中東呼吸器症候群 マーズ)があります。
いずれも「ヒト-ヒト感染」の可能性が高まっていると言われています。
いずれにしても、中国とか中東とか、我々が普段関わらないような地球上の地域、その食習慣や衛生基準が良く分からない地域で発生し、現在の非差別感覚と人の往来自由性の重視によって広く人社会に広まってきたものと思われます。
感染防止対策は、多分SARSの時と同じだと思います。
①帰宅したら、“手をよく洗う(手首の上までも)”
②帰宅したら、“うがいをする”
③外出時には「マスク」を着用する。
感染としては、
①飛沫感染
②接触感染
③空気感染;これについては、今回の新型ウイルスについては実際に感染するのか否かが判明していません。
発生源の中国政府の対応が遅すぎます。
中国からの入国者の規制が、どの国も緩すぎます。
WHOではまだパンデミックの水準ではないとして、安閑としているようです。
日本では、政府は国民に対して「落ち着いた行動をとるように」と呼び掛けています。
「封建的」、「強権的」、「人道無視」などと言われると思います。人権問題や自由確保の問題などがあるとは思いますが、厚生労働省が最初にホームページで対策を公表したとき、①中国をはじめとする外国からの渡航者は一切入国させないとか、②外国からの帰国者は最低2週間は隔離して観察するなどの対処をしていれば、いまのような騒ぎにはなっていないと思われます。
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パンデミックとBCP https://blog.goo.ne.jp/skeletonsima/e/d4b0ecf8cb5091505d25dd49fcc5f62a
〇 厚生労働省HP 中華人民共和国湖北省武漢市における原因不明肺炎の発生について