2008年最初の観劇は、自由劇場のハムレットです。
私には、四季で初のシェークスピア作品です。
劇場に着きクロークにコートを預けるとき、『舞台が始まると寒くなりますけど、大丈夫ですか?』とのこと。
年間を通じて寒さを感じることは少ないので、気にもせずに預けて客席へ。
開演前の暗いステージには、消失点が舞台奥のかなり先に設定された白いラインが仄かに浮かんでいます。
すでにWebやアルプでも紹介されているものの、光沢のある黒い床と白いライン、最小限の小物で構成されるシンプルな舞台はとてもよい雰囲気です。
始まってすぐ、先代ハムレット王の亡霊が現れると、すごい量のドライアイスのスモークが舞台を覆います。
(この大量のスモークが、クロークの女性が言っていた寒さの原因でした。
1階席8列くらいまでは、寒さを感じるかもしれませんので、これからご欄になる方は寒さ対策を。)
芝居は福田恒存訳のためか、日本語の一言一句が研ぎ澄まされていて、鹿鳴館の舞台を観ているかのようです。
思わず聴き入ってしまいます。
そのためたのか、暗い舞台のためなのか、はたまた先代ハムレット王の亡霊に取り憑かれたのか、1幕終了時点で寝ている人が目につきました。
2幕ではハムレットとクローディアスの2人が、それぞれの思いを巡らせている様は、私には歌舞伎の世界に見えてきたのですが、ほかの方にはどの様に映ったものか。
誰1人として報われぬ結末には、判っていても辛いものがあります。
役者の皆さん印象的な方々ばかりなのですが、今回特に印象に残ったのが野村玲子さん。
1幕ではオンディーヌのような澄んだ声が印象的だったものが、2幕では髪を振り乱し狂乱状態の姿は想像もつかないものでした。
プログラムを見ると、ハムレットには下村尊則さんもキャストされているので、出演されたら観にいきたいと思います。
会場では、来場プレゼントということでポチ袋に入ったカード型カレンダーが配られていました。
てっきり書店などで配られている薄手のものかと思っていたら、樹脂製の厚手のものが入っていたのが意外でした。
劇場を出ると、陽が傾き高層ビルを金色に染めていました。
日没の写真を撮ろうと貿易センターへ行ったものの、正月ということで目の前でクローズされてしまいました。
諦めきれず、目についたのは展望台には2008の文字が浮かぶ東京タワー。
夕暮れの薄暗さが迫るなか、初詣客が残る増上寺の境内ではライトアップされた東京タワーがとても印象的でした。
自由劇場 | 1月2日 |
クローディアス | 志村 要 |
ハムレット | 田邊真也 |
ポローニアス | 維田修二 |
ホレイショー | 味方隆司 |
レイアーティーズ | 坂本岳大 |
ガートルード | 中野今日子 |
オフィーリア | 野村玲子 |
ローゼンクランツ/牧師 | 鈴木 周 |
ギンデンスターン | 田中廣臣 |
フォーティンブラス | 増沢 望 |
墓掘り1 | 明戸信吾 |
亡霊 | 石波義人(劇団昴) |
劇王/重臣 | 高林幸兵 |
ヴォールティマンド | 石原義文 |
ルシアーナス | 高草量平(劇団昴) |
オズリック | 青羽 剛 |
マーセラス/重臣 | 深水彰彦 |
バーナードー | 岡本繁治 |
フランシスコー | 島村 勝 |
コーニーリアス/隊長/墓掘り2 | 雲田隆弘 |
妃 | 和泉沢 旭 |
船乗り | 朱 涛 |
貴族/衛兵/役者/他 | 松永隆志 |
滝沢行則 | |
奥田慎也 | |
関川 良 | |
高島啓吾 | |
川畑 亮 | |
玉井晴章 | |
貴婦人 | 大橋伸予 |
菅本烈子 | |
小粥真由美 | |
長島 祥 | |
柳 悠夏 | |
山崎 都 |