マチネが、四季の観劇通算500公演目となりました。
実際には他にもあるのですが、明確な記録が残っていないので本格的にきちんと記録を残し始めた2006年からの数字です。
とりあえず、感想をざっと。
智恵さん
『サウンド・オブ・ミュージック』から、優しくで澄んだ歌声を響かせます。
台詞は基本的な部分は東京初演のように言葉がクリアに伝わることを重視していて、大阪や福岡の様にトーンやピッチを高めていません。
感情が高まってくるとピッチが早くなるので、違和感は感じないと思います。
『自信をもって』の前、咎められたシスター・ベルテに対して「歌う許可が出てます♪」では、笑顔で対応していますが、ソワレでは少し抑え気味な笑い声も聞かれました。
トラップ家の庭では、「シスターに、なるんです。」でクッキーをエルザに突き出し、合掌する仕草を見せていましたが、以前の様に勢いで突き出さず、隠す様にさりげなく重ねた掌におさめていました。
修道院に戻り、修道院長に思いを語るシーンは、深く苦悩するマリアになっています。
マチネの『すべての山を登れ』で、修道院長を見つめる表情がとても良く、思わず涙がでてしまいました。
『なにか よいこと』での大佐との言葉を交わすシーンの表情が、女性として幸せを手にした思いが笑顔に込められていて心が温まります。
やはり、マリアは私の中では智恵さんが一番です。
村さんの大佐は、声のトーンが全般的に低めにシフトして、大佐の威厳が強く感じられます。
昨日は台詞を噛みぎみだったり、間が詰まったりと、いつもとはちょっと様子が違いました。
ソワレでエルザが遺産管理会社を興したことのやり取りでは、
大佐「君が、社長!?」
エルザ「そうよ・・・。」
大佐「いや、・・・。」となるのが、
大佐「君が!?・・・」
エルザ「そうよ。」
大佐「社長!?」
エルザ「そうよ。」となっていました。
なんだったんでしょう?
若奈リーズル
やはり時々ぎこちなく感じるくらい、ハッキリゆっくりのペースで台詞を語る事が有り、違和感を感じます。
岸ロルフ
全体的に若さというよりも、落ち着きを感じるロルフです。
『もうすぐ十七歳』の歌声は、さすがです。
リーズルよりも年上なので、時々したり顔にもなっているのが笑える感じで良いです。
「これ秘密なんだ・・・。」の時の表情が、他のロルフと比較しても一番やっちゃった感が出ています。
修道院の庭で大佐を見つけたときの表情が、東京初演では不適な笑みさえ浮かべていましたが、今回はそこまではないです。
盾となって父親を庇うリーズルを見つめ、苦悩する表情に変わって行きます。
「誰もいません!」の後も、複雑な心境を表すような表情をして去って行きます。
ソワレでは、『もうすぐ十七歳』のシーンで、下手からリーズルと登場する時、なぜか横滑りしながらの登場となっていました。
佐和さんの修道院長
見るたびに、懐の深い修道院長になっています。
『私のお気に入り』では、お茶目は表情も見られて、素敵です。
兼田ソフィアも、シスターたちの前では笑顔を見せますが、見習いの子には冷たいイメージです。
あべさんの温かい笑顔が、私は好きです。
子供たち
マチネ
フリードリッヒ(矢野瑛大くん)『さよならまたね』の「グッバイ~♪」が声が伸びず、途中で終わってしまいました。
ここでも、被せているテープが流れ続けてしまいました。
これは、子供たちと音声さんとの間で調整ができないものなのでしょうか?
リーズル(森重実穂ちゃん)意外だったのが、『ドレミの歌』で「僕この人好きだよ。」と言ったクルトに対して、フリードリッヒと共にクルトに体をぶつけていきますが、森重さんはさらに後ろからクルトの背中を押していました。
クルト(島 羽也人くん)ハスキーなのか、風邪気味なのか、声がちょっと掠れ気味で、『サウンド・オブ・ミュージック』のソロパートがちょっと歌い難そうでした。
ブリギッタ(大森未来衣ちゃん)東海テレビの「スーパーニュース」にも紹介されていたので、気になっていました。
印象としては、一番舞台慣れしている子かなという感じです。
その反面、緊張しやすいのか、時々次ぎのシーンの準備をしているような仕草をも見られました。
『ドレミの歌』の前半で、マリアに「一つの音に一文字」の指摘をする際、歌声はちょっと危なげだったのも、緊張していたかなという感じでした。
でも、表情も判りやすくて、良かったです。
マルタ(伊藤心菜ちゃん)は、NHK「ほっとイブニング」の特集で取り上げられていた子です。
番組では、実の父親への思いが強くなりがちでしたが、さすがに本番では普通にマルタでした。
それでも、大佐に抱きしめられた後や、ラストの「エーデルワイス」の時に、瞳が潤んだような感じでした。
グレーテル(榊原千尋ちゃん)は、可愛らしい感じです。
2幕オープニングで「指が痛いの!」と言って、マックスから指先にキスをされますが、何かあったのかステージ上で笑顔が多く見られ、大佐とエルザもいつも以上の笑顔を見せていました。
何かツボに入った感じだったのが、気になりました。
ソワレ
フリードリッヒ(村上朝陽くん)、小柄でクルトとあまり変わらないイメージですが、歌声はしっかりしていて良かったです。
ルイーザ(入江真衣果ちゃん)も細い感じで、台詞がないと大人しくて華奢な感じです。
クルト(古橋息吹くん)表情も良くて、しっかりした感じです。
ブリギッタ(玉田紗和ちゃん)は、マチネの大森さんと共にオープニングキャストになった子ですが、バランスが取れていて、私的には彼女の方がブリギッタらしいです。
マルタ(鈴木 蘭ちゃん)台詞がハッキリして元気いっぱいですが、動きがまだまだ硬いのか物足りなさも感じさせます。
グレーテル(中山ひまりちゃん)も落ち着いた感じの子で、安心して見ていられます。
エルバーフェルト男爵の林さん、柳さんよりもナチスに対してとても強い感じです。
夫人の小林さん「心外ですわ」の一言は抑えていますが、「ナチスドイツの我が国に対する・・・」は林さん同様に強い口調です。
白倉さんツェラー長官は、いつもと変わりません。
唯一、マックスにナチスの旗の掲揚を迫っている問いに頭にハエ(?)が止まっていたくらいです。(笑)
客席は、マチネもソワレも、笑いに対しては非常に反応が高いです。
ただ、2幕で子供たちがエルザを受け入れてくれず、グレーテルが握られている手を離すシーンでも笑い声が起きているのは違和感を感じます。
同様に、笑うシーンではないだろうと思えるところでも何度か。
他の公演地ではなかった、大きな違いです。
逆に拍手は大きめで、ソワレでは大佐がマリアにプロポーズをして暗転する時には、大きな拍手が起きていました。
ここで拍手がくるのは、初演と東京でも稀だったので、なおさら印象的でした。
明日は、3組目の子供たちが観られるので、楽しみです。
マリア : 井上智恵 トラップ大佐 : 村 俊英 修道院長 : 佐和由梨 エルザ : 西田有希 マックス : 勅使瓦武志 シュミット : 大橋伸予 フランツ : 諏訪友靖 シスター・ベルテ : 山本貴永 シスター・マルガレッタ : 保城早耶香 シスター・ソフィア : 兼田怜奈 ロルフ : 岸 佳宏 【フォン・トラップ家の子どもたち】 |
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【男性アンサンブル】 白倉一成 新藤晃大 林 和男 小出敏英 菱山亮祐 佐藤幸治 小松貴行 五十嵐 春 |
【女性アンサンブル】 小林貴美子 種子島美樹 大澤ゆかり 小島由実子 栗城 唯 辻 奈々 渡部真理子 原 彩子 |