前回観たのは、震災後の2011年3月21日。
西葛西にある、東京フィルムセンター映画・俳優専門学校の中の特設劇場でした。
当時のキャストは、元劇団四季の俳優さんでの上演のような感じでした。
1番 羽根渕章洋
2番 西山聖了・羽吹 諒
3番 柳瀬大輔
4番 栗原英雄
5番 高橋卓爾
6番 沓澤周一郎
7番 石塚智子
8番 吉沢梨絵
9番 浪咲まこ
10番 光枝明彦
11番 鄭 光誠
12番 谷内 愛
少年 張 春紅
三谷幸喜さんの「十二人の怒れる日本人」で観た方も、いらっしゃるかと思います。
初演の時には会場のスペースもあり、一部スクリーンに映像を使っていましたが、今回は青山円形劇場に移ったことで映像はありませんでした。
3年の時間があったものの、客席に入ると当時の記憶が蘇り、芝居の進行と共に記憶が先行する感じで舞台を観ていました。
今回はキャスティングが一新され芝居巧者がそろっていることもあり、劇場内を包む空気が張り詰めた感じがして、淀むことなく一気に進んでいきました。
ストーリーは、父親を殺した在日少年に対する最終的な意見を陪審員がまとめているもの。
全員が有罪で一致するかと思われる中、8番から疑問が提示され、一人、また一人と無罪へと判断が変わり、ラストでは・・・。
8番は、土居さん。
台詞量が最も多く、初演の吉沢さんは時々台詞を噛んでいましたが、土居さんも数回。
小柄な土居さんですが、存在感が大きく感じさせます。
大きく対立する、3番 山口馬木也さん、4番 今 拓也さん、7番 エリザベス・マリーさん、10番 村井國夫さん、11番 キム スンラさんとのやり取りが特に印象に残ります。
陪審員と言えども、一般人。
会社経営者もいれば、キャバ嬢もいるし、若者もいれば年配の方も。
それぞれが生きてきた環境も異なり、法のエキスパートでももちろんありません。
途中土居さんが皆に語る台詞が、耳に残りました。
『いくら客観性を持って物事を判断しようとしても、人間が完全に主観から逃れるなんてきっとできないでしょう。
なにかしらの偏見を持ってしまうのも、個人的な感情をい抱いてしまうのも仕方がないことかもしれません。
でも、それは時として真実を歪めてしまう。』
※台詞は、初演の時に戴いた舞台台本からです。
そんなことを頭の片隅に置いて、舞台を楽しんでみてください。
1番 |
松原剛志 |
2番 | 神田敦士 |
3番 | 山口馬木也 |
4番 | 今 拓也 |
5番 | 澤 魁士 |
6番 | 青木結矢 |
7番 | エリザベス・マリー |
8番 | 土居裕子 |
9番 | 井口恭子 |
10番 | 村井國夫 |
11番 | キム スンラ |
12番 | 池田有希子 |
少年 守衛 盆人 |
櫛田祥光 塚越眞夏 菊池千花 掘 さやか 谷 須美子 内田弦輝 町田大和 橋本 薫 大村崇人 |