今日は内科新患担当の女性医師が夏休みで不在のため、代わりに外来を診ていた。これといった感染症も流行っていないので、割とのんびりした外来だった。
胸痛が心配という53歳女性が受診した。長女がPCI治療を受けたことから、自分も心配になったという。エアロビを教えているが、その時は無症状で、労作時には何も症状はない。じっとしている時(時間は決まっていない)に胸骨のやや左側が20秒くらい痛い気がするという。圧痛はない。心臓らしくはないと思われた。ふだん健診を受けていないので、姉が高コレステロールで自分も高いかもしれないと心配だという。胸部X線・心電図・血液検査を行ったが、異常はなかった。心カテの適応はないので、やるとすれば外来でできる心臓CTだが、これも積極的に行うほどではない。検査結果と、精査の適応について話をすると様子をみると言われた。
63歳女性は4か月前から咳が続くという。周囲に風邪症状の人たちがいたので、自分も風邪(うつされた)だと思っていたらしい。夫である当院院長(産婦人科医)が、外来で風邪薬(PL顆粒・アストミン錠)や抗菌薬(クラリス)などを断続的に処方していた。咳の程度は増悪していない。日中に長く話をするとせき込んだりする。夜寝るとせき込むが、その後は睡眠できる。朝方起きるとせき込むそうだ。喘鳴は自覚していない。発熱や寝汗はない。ふだんは脂質異常症の薬(クレストール)のみ内服していた。診察では異常がない。強制呼気でも喘鳴は聴取されない。胸部X線は異常なし。スパイロも正常域。血液検査も異常なかった(白血球数正常域、CRP0.0)。副鼻腔炎の症状(後鼻漏を含む)はない。胸やけもない。感染後の咳としても長すぎる。咳喘息疑いとして吸入ステロイドで経過をみて、2週間後に再診とした。
神経内科医から電話が来て、41歳女性がめまいで受診したが、血液検査をすると血糖が400(食後)だったという。追加で出したHbA1cは10%だった。空腹時血糖は200くらいだろうと推定される。尿ケトン体は陰性だった。患者さんはすでに帰ってしまっていて、今呼び出しているので診てほしいと依頼された。画面をみると3年前に内科外来を受診(健診の二次検査)して、糖尿病の治療が開始されたが、すぐに中断していた。脂質異常症・脂肪肝と思われる肝機能障害もあった。外来の看護師さんが何度か電話して、やっとつながって再受診してきた。神経内科医が精神遅滞があるかもと言っていたが、むしろ性格的なもののような気がする。まずDPP4阻害薬とスタチンで治療を開始した。
先月に誤嚥性肺炎で入院して治癒した92歳女性(施設入所中)が、また肺炎で連れて繰られた。痰がからんで食事もとれないという。もう何度目か覚えていないくらい入院を繰り返しているが、今までで一番早い再入院かもしれない。この方は多発性骨髄腫もあって経過観察している。もともとやせているが、最近はさらに体重が減少している。外来の看護師と病棟の看護師いずれもが、そろそろかなと言っていた。これまで意外に治って帰る患者さんだが、今回はどうだろうか。