60歳代男性が嘔吐で救急搬入された。救急当番は神経内科医で、腹部CTで胆嚢結石があるというので呼ばれた。点滴とプリンペラン注がされていた。住所を見ると横浜となっていた。当地の山間に別荘があって、5日前から来ていたそうだ。明日横浜に帰る予定だという。数日前から上腹部重苦感があった。今日の午前10時半ごろから、心窩部痛と嘔吐が出現した。発熱はなかった。確かに同部に圧痛がある。Murphy徴候は陰性になった。腹部CTで胆嚢内に結石が2個あった。先にCTになったが、腹部エコーの方が分かりやすい。胆嚢は腫大しておらず、壁肥厚もないし、debrisもない。胆道系の拡張はなかった。心電図は異常なし。
炎症反応は陰性で、肝障害があるが、アルコール性脂肪肝が以前からあるそうだ。胆石の発作としてよいと判断された。ブスコパンはまず効かないので、ボルタレン座薬50mgを使用した(体重70Kg)。1本目の点滴が終わるころに行くと、症状はすっかり治まっていた。ウルソとコスパノンの内服とボルタレン座薬を持たせて帰宅とした。紹介状にエコーの画像とCTの画像(CD)を付けた。大した治療でもないが、奥さんに大層感謝された。