なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

今日は日直(一過性全健忘、肺癌)

2014年07月13日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。66歳男性が約1時間の記憶がなくなり、娘に連れられて受診した。午前中に仕事をして昼にシャワーを浴びたところまでは覚えている。その後1時間くらい経って、娘が帰宅すると庭を歩いていたそうだ。この建物はいつなんで建てたんだろうなどというので、気味が悪くなったという。娘といっしょに病院にきて経緯は覚えているが、ほんやりした記憶らしい。意識は清明で、特に神経症状はない。一過性全健忘(TGA)と思われた。発症してからあまり時間が経っていないが、本人と、特に娘が脳は大丈夫かと心配しているので、頭部MRIを行った。特に異常はなかった。今日は帰宅として、明日神経内科の外来を受診してもらうことにした。TGAは2-3年にひとりくらい受診している印象がある。

 隣町の診療所から77歳男性が血痰と発熱で救急搬入された。実は4日前の水曜日に当院の循環器科医が診療所に応援診療に行った時に受診した患者さんだった。胸部X線で肺炎を認めたが、入院を拒否して外来で抗菌薬内服としたので、受診したらよろしくと言われていた。それにしてもこの患者さんは脳梗塞後遺症(心房細動があり)で運動性失語(感覚性はないというが、まったくないとは言い難い)がある。入院拒否は首を振ったのか(麻痺のない方の)手を振ったのか。その時の受診も薄い血痰がでたので受診したそうだ。今日は明らかな血痰を出していた。肺結核かとも思ったが、胸部X線・CTで左肺の上肺野に腫瘤影(胸膜に進展)があり、細い陰影がつながって肺門部の腫大したリンパ節につながっていた。また肺門部から下肺野に向けて浸潤影が広がっている。受診ごから発熱も続いていて、この部位は肺炎なのだろう。抗酸菌塗抹は陰性だった。診断は肺癌+肺炎。肺炎の治療で経過をみることにしたが、肺癌自体の利用は無理だろう。

 その他は食欲低下で再入院した80歳代後半の女性と、回転性めまい(BPPV)で入院した57代男性がいる。施設入所中の精神遅滞の男性は肺炎があったが、軽度なので外来治療とした。また他県から当地の温泉地に来て高熱で搬入された70歳代女性は腎盂腎炎だった。外来で点滴と抗菌薬の点滴常駐をして、内服を持たせた。点滴が終わることには落ち着いていた。明日かかりつけのクリニックを受診するよう紹介状も持たせた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする