なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養で黄色ブドウ球菌

2019年05月20日 | Weblog

 先週木曜日の当直帯で救急搬入された71歳男性のその後。不明熱として入院したが、3年前の胸部大動脈瘤(大動脈解離?)で手術したステント部の感染が疑われた。

 翌日の金曜日には血液培養2セットからグラム陽性球菌がすぐに検出されて、持続性菌血症を呈していると判断された。心エコーで明らかな疣贅はなく、やはり大動脈ステント感染が疑われた。

 月曜日に歯科処置があり、翌火曜日から高熱が出ている。心内膜炎だったら亜急性ではなく、急性相当になり、起炎菌はブドウ球菌が想定された。金曜日の段階で、また土曜日の段階で手術した病院への転送を考えていたが、迷いながら週明けの菌確定まで待つことにしていた。

 今朝血液培養2セットと尿培養から黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出された。尿培養陽性は血流を介して尿路に入った菌ということになる。38℃の断続的な発熱(アセトアミノフェン内服あり)が続き、炎症反応は変わらない(少し悪化)。

 もう待てないので、大動脈流の手術をした心臓血管センターのある専門病院へ連絡して救急搬送した。別の内科の先生と、転送先ではどうするのかと話し合ったが、お任せするしかない。診断に間違いがないとして、感染したのは手術した病院の責任ではないが。

 

 早朝から、膵頭部癌述語再発の患者さんの疼痛が治まらずに連絡がきていた。この患者さんは地域の基幹病院緩和ケア科から先週転院してきた。当院で麻薬の増量などを行っても対応は難しそうだ。紹介状には、疼痛増悪時にはご連絡ください、ただしベットに都合ですぐの対応は難しいことがあります、と記載されていた。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする