CD感染症 Clostridioides(Clostridium)difficile infection=CDI
検査 下痢はBristol Stool Scale(BSS)を使用して客観的な評価をする。BSSで5以上を下痢とする。CD抗原(GDH検査)陽性・トキシン陰性は、遺伝子検査(NAAT検査)で確認する。トキシン検査は感度が低くが(50%)、特異度は高い(100%)。問題はコストが高く、定着も拾い上げてしまう。定着に注意を要する。
高齢者・免疫不全 長期施設入所の高齢者は50%がCDのキャリア。年に1回は抗菌薬投与を受けて、8~33%がCDIに罹患する。人によってどのような便の性状を「下痢」とするかが違う。BSSで表現して共通の認識にする。
リスク因子(広域抗菌薬、PPI) 広域抗菌薬・PPIがCDIの発症・治療効果不良・再発に関与する。抗菌薬別では、カルバペネム>セフェム系>キノロン系・ペニシリン系、CLDM>セフェム系・キノロン系。抗菌薬の数では、1剤<2剤(2.5倍)<3・4剤(3.3倍)<5剤以上(9.6倍)。PPIとH2ブロッカーともに腸内細菌叢に影響するが、程度はH2ブロッカー<PPI。抗菌薬の使用継続では治りFi悪い。
再発を繰り返す難治性CDIの治療 VCM大量投与からの漸減療法。Fidaxomicin(FDX)(200mg1日2回10日間)は欧米では初回のCDIから使用するが、日本では初回は使用せず(非劣性証明できず)、再発例で使用する。FDXはVCMよりも再発が少ない。抗toxin B抗体のBezlotoxumabは高価で(33万)、免疫不全・重症例・強毒性・過去3回以上発症で使用する。便移植Fecal microbiata transplantation(FMT)は1回で80%、2回で90%の効果。投与法は注腸よりもNGチューブからの注入・カプセル内服の方が効果がある。
予防 プロバイオティクスはルーチン使用を推奨されていない。予防効果を証明する研究が少ない。便移植の効果から考えて、期待はもてる。
なぜか化学療法学会の特別講演として、小泉進次郎衆議院議員の講演があった。座長の柴孝也先生が衆議院の医務室に勤務されている関係らしい。働き方改革が単に仕事時間を減らすだけなのは間違っている、人生100年時代には様々な働き方があり、高齢になっても意義のある仕事を継続できれば、少子高齢化も心配ないという(新しい日本をつくると)。まだ30歳代だが、聴衆に感銘を与える講演だった。まさに華がある政治家で、大人気なのもよくわかる(一度聴くだけでファンになってしまう)。
上野の東京都美術館で開催されていたクリムト展を見てきた。クリムトが好きだった先輩医師が悪性リンパ腫で亡くなったこともあるが、雑誌太陽のクリムト特集を購入して興味をもった。ついでに六本木ヒルズのムーミン展も見てきた。好きなのはスナフキン。
今回初めて学会場の東京ドームホテルのある水道橋のホテルに宿泊したが、和の雰囲気のあるホテルで良かった(場所はわかりにくい)。感染症の学会は東京ドームホテル開催が多いので、このホテルを定宿にすることにした。