今日は3名入院して、相変わらず30数名の入院をみている。もっともそのうち4名は超高齢者で、点滴500ml1本の看取りの方針となっている。地域包括ケア病棟で施設入所待ちの高齢者も多いので、実質的な診療は10名ちょっとになる。
ひとり目は施設入所中の79歳男性で、以前の入院時は認知症で抑制していたが、今はその勢いはない。今回は経口摂取できず、胃瘻造設目的での入院だった。来てみると発熱があり、胸部X線・血液検査を行うと誤嚥性肺炎を来していた。肺炎の治療からのスタートになる。
2人目は71歳男性で、地域の基幹病院呼吸器内科からのリハビリ目的の転院だった。細菌性肺炎として強力に治療したが改善せず、間質性肺炎として行ったステロイドパルス療法に反応していた。ステロイド漸減で一時悪化があったが、その後は順調に漸減できている。
昨日からプレドニン25mg/日となっての転院だった。2~4週間に5mgの割合でと記載されているが、リハビリが1か月の予定なので、そのままの量か5mgの漸減で向こうの外来に戻すことになる。漢方薬の副作用による間質性肺炎と診断されていたが、ほんとうにそうなのだろうか。(当院入院中に増悪すれば、即搬送する)
3人目は77歳女性で、施設からの紹介だった。この方はちょっと問題だった。内科の若い先生(内科専攻医)が何度か外来や入院で診ていたが、今日はホスト病院である医療センターに戻っていて不在なので当方が受けた。
施設嘱託医の内科クリニックの若い先生(たぶん3代目の若い先生)は、病状が悪化してあと数日と見込まれるとして、そのまま施設で看取ることを提案していた。夫が脳梗塞後遺症で当院の回復期リハビリ病棟に入院しているので、当院入院で看取ってほしいと希望していた。
全身性浮腫で両側胸水が多量に貯留していた。腎障害・ネフローゼ症候群があり、主には腎性浮腫になる。今年の2月からの症状だが、急速進行性糸球体腎炎などが疑われる。一度は専門医に診てもらった方がいいのではないか。
すっかり看取りという話になっていて、施設職員(当院を定年退職した元看護師長さん)と一緒に来た娘さんは、外来で「看取りをお願いします」といっていたが、それでいいのかとも思った。
経口摂取は到底無理で、点滴と利尿薬くらいしかないが、ANCAの検査くらいはさせてもらうことにする。入院中の夫が内科病棟に車椅子で来ていたが、特にどうしてほしいという希望もないようだった。