なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

間質性肺炎

2019年05月22日 | Weblog

 昨日の夕方に内科医院から肺炎の84歳女性が紹介されてきた。内科の若い先生(内科専攻医)が診察していたが、通常の(細菌性)肺炎ではなかった。

 胸部X線で両側肺全体にびまん性にスリガラス様陰影があり、一種異様な印象を受ける。胸部CTで見ると、スリガラス様陰影が広がっているが、モザイク状といいたくなるような分布でもある。通常の細菌性肺炎ではなく、間質性肺炎と判断された。

 地域の基幹病院呼吸器内科に紹介としてもらった。

 

 昨日そちらの病院からリハビリ目的で当院に転院してきた71歳男性の胸部画像を、送られてきたCDを取り込んで見てみた。糖尿病専門医の内科医院から肺炎として紹介されていた。

 当初は細菌性肺炎として、セフトリアキソンを投与して、その後レボフロキサシンに変更している(非定型肺炎としてか)。抗菌薬の効果がなく、間質性肺炎としてステロイドパルス療法が行われて軽快したという経緯だった。

 両側の陰影で、間質性と判断しそうな気もするが、答えがわかって見ているので、そう思えてしまう。最初から見たら、通常の細菌性肺炎として治療を開始するかもしれないが、少なくとも間質性の可能性は考えると思う(たぶん)。

 漢方薬の牛車腎気丸(前立腺疾患に処方)と柴胡桂枝湯(脊柱管狭窄症に処方)が原因とされている。

 

 間質性肺炎は呼吸器内科のない当院では原則として診ないことにしている。例外はあって、山間の町の施設から紹介された96歳くらいの女性は当院で治療した。家族が「どうしても当院で診てほしい、他の病院には移動させないでほしい」と希望されたので、やむなく治療した。ステロイドパルスが効いて、プレドニン内服で退院した。その後2回目の再発の時に亡くなった。

 

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