火曜日は内科の先生が当直だった。午後10時過ぎに浴槽に顔が浸かっていた83歳女性が心肺停止で救急搬入された。
一人で入浴していたが、なかなか出てこないのに家族にが気づいて、浴室を見に行った。浴室に行ってから1時間は経過していたそうだ。顔が浴槽に浸かっていたのを発見して、引き上げた。心肺停止状態だった。
救急隊到着時、心肺停止(心静止)で心肺蘇生術をして病院に搬入した。蘇生術に反応せず、死亡確認に至った。事故死なので、警察を呼んで検視となった。
Autopsy imagingを行って、頭部CTは異常なし。胸腹部CTでは両側肺野に肺浮腫を認めた。検視で事件性はなく、溺水と診断された。
寺沢秀一先生の「Dr.寺沢流 救急診療の極意」のコラムに、「お風呂でみるかる高齢者、つまり寒い季節に熱いお風呂につかって心肺停止してしまったらしい人の死因は何だと思います?」とある。
「お風呂での高齢者の急死は熱中症ではないかっていう仮説を立てている救急の先生方がいます」、「高齢者が熱いお風呂につかっているうちに熱が上がってぼーっつとして、そのまま高体温になって、意識がなくなって、溺れているのではないかという仮説です」、とある。
直接死因は溺水になるが、それに至った原因はそうなのかもしれない。