月曜日に地域の基幹病院から86歳男性が転院してきた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の隔離期間介助後だった。
2月22日に発熱(38.9℃)・食欲不振で発症していた。同居家族がコロナに罹患していて、濃厚接触者として2月24日に保健所の指示でPCR検査が行われた。翌日結果が判明する予定だったが、同日夜間に呼吸困難を訴えて救急要請した。
当院に搬入依頼があったが、そういう事情でまずコロナに罹患していると判断された。当院の感染病棟は空きがなかった。来ても入院できないが、といって診断が確定していないと救急隊も困る。酸素吸入を開始していた。
当院に来てもらって、外に止めた救急車内で抗原定性検査を行った。結果は陽性で診断が確定した。保健所に連絡して指示待ちとなった。基幹病院に入院できることになって、そのまま救急車に向かってもらった。
入院して中等症Ⅱとして治療された(肺炎あり、酸素吸入必要)。発症9日目に、担当の呼吸器内科医から転院依頼の連絡が来た。週末だったので、翌週の月曜日に転院にしてもらった。ちょうど発症14日目だった。
当院でも一般病棟に移すのは14日過ぎにしている。隔離期間ぎりぎりの10日だと、受け入れる方も心配する。検査で確定した日ではなく、症状が出た日を発症日とすると、正確さに欠ける可能性がある。患者さんは正確に覚えていないし、鼻汁がアレルギー性鼻炎の症状だったりと、コロナと関係ない症状のこともある。
リハビリを開始したが、労作時に酸素飽和度が90%未満になってしまう。安静時で飽和度が93~95%なので、動けば下がるのはわかる。
発症17日目に胸部CTで確認した。両側肺の背側胸膜下を中心にすりガラス陰影から浸潤影様に変化した像と引きつれた像がある。
発熱はなく、食事摂取も良好で全身状態は悪くない。時間が経てば吸収されていくのだろうが、大分かかりそうだ。通常の肺炎像でも高齢者だと1か月くらいかかるが、コロナの陰影はもっとかかる?。