なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

インスリン大量注射と睡眠薬大量内服

2022年03月14日 | Weblog

 土曜日に日直だった内科の若い先生が、透析で通院している53歳男性を入院でさせて診ていた。どうしたのかと確認すると、急性薬物中毒だった。

 金曜日の夜に、かゆみとイライラで、処方されているブロチゾラムを100錠飲んで、インスリンも150単位打ったのだった。ブロチゾラムは毎月4週間分処方されているが、ためていたのだろうか。

 土曜日の透析の時に(妻が送り迎えしている)、意識低下に気づかれた。現在透析は大学病院からの応援医師で運営されている。最近土曜日に来ている女性医師が確認すると、患者さんは案外上記のことをちゃんと話したので、わかったのだった。

 血糖は50mg/dl台まで低下して、10%グルコースの点滴静注と50%グルコースの静注で対応していた。入院が必要で、日直だった内科の先生に依頼された、という経緯だった。

 治療を継続して、翌日曜日の昼には意識は戻って、低血糖も回復していた。37℃台の発熱と、炎症反応の上昇があり、原因がはっきりしないようだ。それでも患者さんの退院希望があり、週3回は透析で来院するので、外来での対応となった。

 

 この患者さんは地元の町立病院に通院して、糖尿病専門医が担当していた。どうも担当医と喧嘩したらしく、当院に通院するようになった。腎臓内科(大学病院から)に通院して、入院は内科(当方)で担当していた。

 専門医から血糖コントロール不良を指摘されるのが、気に入らなかったようだ。当方はその点厳しく言ったりはしないが、緩い対応で良いわけではない。

 まだ腎機能としては透析前の段階(慢性腎不全)だったが、ネフローゼ症候群を呈して、腰から下の浮腫が著しかった(びっくりするような陰嚢水腫)ので、除水のために早期の透析導入も考慮された。

 入院してフロセミド100mg/日内服で対応すると、それなりに浮腫は軽減して退院すると言うのを繰り返した。そのうちに腎機能が悪化して、シャント作成から透析導入となった。そうなると透析部門での対応になり、内科の関わりはなくなってしまう。水分摂取は守っていないと思うが、そこは透析で調整されていたようだ。

 4月からは腎臓内科の常勤医が来るので、内科で対応することはなくなる。

 

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