なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心肺蘇生術なしで

2022年03月07日 | Weblog

 先週末は内科の当番だった。土曜日の日当直は、初めて来た外科医だった。今月から月1回土日の日当直に交代で来てもらうことになっている。

 感染病棟のコロナの患者さんたちが落ち着かないこともあり、土曜日の午後に病院に来た。コロナの患者さんたちは、病状的には良くなっていたが、夜間の不穏で処方追加を行った。

 午後1時半ごろに救急搬入があった。検査を行った後に入院依頼があるかもしれないと思いながら、病棟を診に行った。

 病棟から戻って、カルテを確認すると心肺停止の救急搬入だった。救急隊は特に心肺蘇生の処置もなく、普通に救急室に入っていたのを見ていたので意外だった。

 

 患者さんは76歳男性で、これまで当院を受診したことはない。昨年8月に腎癌で手術を受けていた。腎摘出・脾臓摘出・開胸による下大静脈腫瘍塞栓摘出まで行なわれていたが、すでに肺転移・肝転移・骨転移もあった。

 心肺停止だが、家族の希望で心肺蘇生術は行われなかった(正確には少し実施したが、すぐに中止)。当院で死亡確認だけを行った。おそらく診療している病院で、病状悪化時DNRの話があったのだろう。

 ただ情報が家族の話しかないので、Autopsy imagingが行われた。両側肺に胸水貯留と浸潤影を認めて、肺炎による死亡と診断していた。

 最近(数日前?)病状が悪化して、その日から呼吸困難になっていた。もう数日早く病院を受診していれば肺炎(±心不全)として治療できたかもしれない。(当院から高次医療機関に搬送?)

 

 土曜日はほかに切創の患者さんなどが受診していたが、入院はなかった。当院の今の診療体制では受けられる救急は限られている。このくらいの診療だったら、今後も継続して来てもらえるだろうか。

 

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