なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

出血性梗塞

2022年03月13日 | Weblog

 月曜日、神経内科に脳梗塞(心原性脳塞栓)の91歳男性が入院していた。右中大脳動脈領域の梗塞だった。

 

 翌々日に病巣の変化を見るために頭部CTが行われて、CTで梗塞巣がはっきり描出されていた。脳浮腫が出始めていた。

 

 1週間後の頭部CTで、梗塞巣内の出血が描出された。浮腫と相まって健側への偏移が見られる。グリセオールを投与を開始している。

 

 血液検査で高ナトリウム血症を来したり、肝機能障害が生じて、薬剤性か胆道系感染か判別しがたい。順調な経過にならず、こじれて苦戦しているようだ。末梢からの血管確保ができず、中心静脈カテーテルを挿入していた。

 

 中大脳動脈が詰まるような広範囲の心源性脳塞栓症は、出血性梗塞になる可能性がある。出血は想定内だったかもしれない。

 土曜日に内科クリニックから、認知症で薬を管理できなくなり、血糖高値となった(随時血糖5000mg/dl・HbA1c10%)70歳代男性が紹介されてきた。

 脳委縮の程度を見るために頭部CTを行うと、後頭葉に新規の脳梗塞を疑う病変を認めた。さらに頭部MRIも行って、新規の脳梗塞と確診したが、病変内に出血を疑う所見があって、判断に困ってしまった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする