なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

わからない発熱

2022年03月28日 | Weblog

 先々週に発熱が続く78歳男性が入院していた(他の内科の先生が担当)。外国人の方で、なんでもポルトガル語を話すという話だったが、日本在住が長く日本語はわかる。

 両側肺野に浸潤影があるように見えるが、呼吸器症状はなかった。尿所見は尿路感染症らしくなかった。スルバシリン(ABPC/SBT)で開始していた。

 入院当初の炎症反応は、白血球10300・CRP42.2と著明に上昇していた。発熱は38~39℃を推移していた。

 右膝痛があったが、膝関節自体ではなかった。X線でもわずかなOAの変化しかなく、関節内石灰化はなかった。膝蓋骨の形に境界明瞭な発赤があり、真っ赤にピンクを少し混ぜたような色だった。顔面ならば丹毒となるが、膝頭でもあるのか。

 抗菌薬投与で数日して、その部分は退色して境界は不明瞭になっていた。疼痛も軽減している。皮膚(軟部組織)感染症なのだろうか。

 数日して血液検査で炎症反応が軽減して、発熱の程度も37~38℃台になった。発熱が続いていたので、担当医は抗菌薬をメロペネムに変更していた。

 本日の検査では、白血球6000・CRP14.2に軽減していた。37℃台の発熱はあるが、先週末から意識も良くなり、食事摂取は良好だった。

 胸腹部CTで胸椎を取り巻く軟部組織を指摘されていた。リンパ腫疑いとあったので、可溶性IL-2受容体抗体を提出していたが、1700と微妙な値だった(炎症での上昇相当)。病変?の濃度からはリンパ腫といえるかどうかはっきりしない。生検できる部位ではないので、再検はしてもいいと思うが。

 蜂窩織炎では血液培養の陽性率が5%程度だが、入院時に血液培養提出がほしかった。全体的には良くなっているが、右膝の皮膚感染症?(何らかの結果?)だけでこんなことになるとも思えない。後縦隔の病変なのだろうか。

 

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