なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

昨日と今日低血糖で搬入

2016年03月20日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。午前中の出だしは開始早々の患者さんのみで、倉原優先生の「ねころんで読める呼吸のすべて」を読んでいたが、昼前からは夕方まで受診が続いた。

 入院は、昨夜から嘔吐している79歳女性で、腹部の所見はなかった。点滴とプリンぺラン静注でいったん良くなったが、また嘔気を断続的に訴えた(嘔吐は止まった)。念のため頭部CTまで検査したが異常はなかった。千葉県浦安市から春彼岸で当地に来ていた。連休明けまで入院とした。

 心房細動・心不全などで内科クリニック(心臓専門)に通院して在宅酸素療法を受けている80歳男性が、3日前からの発熱で動けなくなり救急搬入された。当院の泌尿器科にも前立腺癌で通院している。尿所見は異常なし(前立腺炎はありうるが)。インフルエンザ迅速試験陰性。胸部CTで左肺背側に軽度だが、浸潤影を認めて肺炎の診断で入院した。黄色の喀痰がとれた。

 36歳女性は昨日からの高熱と倦怠感・脱力で当番医から紹介された。 鼻汁・咳・咽頭痛が軽度にあり、症状は風邪そのものだった。インフルエンザ迅速試験は陰性で、尿所見も感染を示唆しないが、白血球数11900・CRP9.3と細菌性を推定させる所見だった。胸部X線で右下肺に軽度に陰影があるように見えた。肺炎として連休明けまで入院とした。

 医療センターに1型糖尿病で通院している34歳男性が低血糖で救急搬入された。昼過ぎに散歩の途中で脱力でうずくまり、自分で救急要請した。救急隊が到着して血糖を測定すると72mg/dlだった。ブドウ糖で対処できそうだが、持っていないという。救急隊は点滴とグルコースの静注ができるが、血糖が50mg/dl以下にならないとできないそうだ。当院まで30分以上かかるので(診療圏が違う)、その時間がもったいないので、患者さんのお金で自動販売機からジュース(ポカリでも何でもよい)を買って飲んでから搬送するように伝えた。

 搬入時は血糖90mg/dldだった。話かけると普通に話すが、また閉眼してしまう。何だか気持ちが悪い。50%グルコース20mlを静注して、5%グルコース点滴で経過をみることにした。1時間後は160mg/dlだったがまだ眠そうだった。この方は昨日も同程度の低血糖で救急搬入されていた。躁うつ病で同センターの精神科にも通院していて、不眠がある。3時間ほど寝るとすっかり元気になっていた。生活が不規則で食事も1日2食だった。持効型のトレシーバを減量するように指示して帰宅とした(母親と姉が来ていた)。昨日日直だった消化器科医が主治医への紹介状(報告書)を書いていた。

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療養型病床に回せば終わりなのか

2016年03月19日 | Weblog

 80歳代半ばの男性(老年期認知症・パーキンソン症候群)は妻と二人暮らしだったが、しだいにADLが低下して、嚥下も難しくなってきた。身長のある方で、小柄な奥さんがよく自宅で介護していたものだ。娘さんは看護師だが、県外から時々しか来れない。先月の下旬に誤嚥性肺炎で入院した。肺炎自体は軽快したが、嚥下訓練を初めてすぐにまた誤嚥性肺炎を起こした。また軽快して再度嚥下訓練を開始したが、担当のST(聴覚言語療法士)からゼリーでも難しいと言われた。簡単な会話はできる。 内視鏡的胃瘻造設(PEG)はどうかと奥さんに提案した。奥さんはしないとはっきり言った。義父が入院した時に隣のベットにいる患者さんが胃瘻からの経管栄養をしていたそうで、自分たちはしたくないと思ったと言う。夫(患者さん)とも相談していて、しないことにしていたと言われた。来院した娘さんも両親の思う通りにしてほしいと言っていた。

 ゼリー食が多少摂取できれば、末梢の点滴500ml1本を入れながら、経過をみてもいいと思ったが、全く摂取できない。痰がからんできて、酸素飽和度が低下してしまう。発語もない寝たきりの90歳前後なら、点滴1本で経過をみて看取ることが多い。点滴静注できなければ皮下注にしている。

 この患者さんもそれでいいのかもしれないが、娘さんから長生きしてほしいという気持ちもありますと言われた。奥さんもまだ夫がすぐに亡くなる覚悟はできていないように思えた。結局、中心静脈栄養にした。正しいかといかはわからない。これで肺炎にならなければ、月単位での生存が期待できる。近くの私立病院の療養型病床へ申し込んでベット待ちとなった。

 嚥下障害で経口摂取できなくなった高齢者で、そのまま看取るのも躊躇われる患者さんでは、胃瘻造設による経管栄養や高カロリー輸液を施行する。そしてその後は療養型病床へ転院となる。看取るのに比べると後ろめたさがないので、それで一定の解決が得られたように感じてしまう。悪く言えば、それで解決としてしまう心情が起こる。看護師さんも看護計画が解決して終了という感が強い。

 

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エナジードリンク

2016年03月18日 | Weblog

 20歳代の男性がエナジードリンクの飲んで、顔面の感覚がおかしくなったと救急要請した。一口飲んで右顔面の違和感を覚えたが、そのまま一缶飲んだそうだ。一口飲んで、すぐに吸収されて症状が出るかどうか(口腔粘膜から?)疑問だったが、とにかく訴えは訴えなので、そうですかと聞くしかない。アナフィラキシーショックなどでは全然ない。気持ちも悪いというので、点滴と制吐薬で経過をみることにした。

 2時間半くらい経過をみると、症状は薄くなってきたという。今時なので、集まった家族もネットで成分を調べていた。カフェイン・アミノ酸・ビタミンだが、何か公表していない成分も当然あるのだろう。コカコーラも成分は企業秘密で公表していない。

 命に別状ありませんというと、ほっとした様子だった。飲み過ぎによるカフェイン中毒で死亡したというニュースがあったので、それを思い浮かべて心配になったらしい。それなら飲まなければいいのにと思うが、相当な売り上げのドリンクらしい。

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逆流性食道炎でした

2016年03月17日 | Weblog

 3日前に月曜日に施設に入所している61歳男性(精神遅滞)が嘔吐が続いて救急搬入されていた。嘔吐が始まったのはその日の朝からということだったが、急性腎前性(推定)腎不全を呈して、炎症反応も上昇していた。胸やけの訴えがあったが、腹痛はなく、経過をみても下痢はなかった(時節柄ノロウイルス胃腸炎を想定していたが)。

 点滴とオメプラール静注で、翌日の夕方からは嘔気だけとなり、昨日は嘔気もほとんど治まってきた。今日は食道胃病変を見るために、上部消化管内視鏡検査を行った。食道裂孔ヘルニアがあり、ほぼ全周性に発赤・びらんがあり、中部食道まで及んでいた。胃~十二指腸球部は異常がなかった。この方はクリニックからPPI(ランゾプラゾール)が処方されている。症状が治まった今日の所見なので、入院時はさらに悪化していたのかもしれない。わかってみれば重症の逆流性食道炎だった。処方は当然タケキャブにした。ガスモチンも併用した。

 入院時の腎機能障害も改善していた。腎前性でいいようだ。施設の職員から穏やかな性格と言われていた通り、ちゃんと人生初の胃カメラも受けてくれた。連休明けまで経過をみて退院にできそうだ。

 昨日「内科主訴25の確定診断術」塩尻俊明先生編集(文光堂)を購入した。いかにも研修医向けの本だが、問診のコツが記載してあり、他の本とちょっと違う(頻度順だが、疾患の並べ方がバラバラ)特徴のある本だ。

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肝腫瘍、EMPA-REG OUTCOME

2016年03月16日 | Weblog

 日曜日に腹痛(右側腹部痛)で入院した87歳女性は、当初部位からは結腸憩室炎を疑った。腹部造影CTを行ったが、上行結腸が拡張して便がたまっているだけだった。想定していなかった肝腫瘍が描出された。右葉にふたこぶ状に腫瘤があるが、つながっていた。腫瘍マーカーはAFPが40万と著増していて、肝細胞癌ということになる(CA19-9とCEAは正常域)。肝炎はなかった。CTで見る限り、胃癌・大腸癌・膵癌・胆道癌はない。入院してからも断続的に左側腹部痛(圧痛があった)を訴えていたが、しだいに右季肋部、さらに肋弓下になってきた。痛みの機序がよくわからない。アセトアミノフェンの内服で経過を見ることにしたが、今後どうなるのか。

 昨夕は製薬メーカー主催の糖尿病の講演会があった。EMPA-REG OUTCOMEの話なので、内容はわかっていたが、しばらくぶりで会いたい開業医の先生(隣の医師会所属)がいるので行ってみた。講師は医大の糖尿病代謝科の元教授先生で、穏やかな常識人だ。選択的SGLT2阻害薬エンパグリフロジン(ジャディアンス)は心血管イベント(心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中)、全死亡、心不全による入院のリスクを低下させる。要するに、大血管障害の抑制に効果があるということだった。

 心血管のリスクの高い患者さんが対象で、リスクが低い通常の患者さんではどうなるか、SGLT2阻害薬自体の効果なのかエンパグリフロジンに特徴的か、などはまだわからない。それにしても対象の患者年齢が平均63歳なので、日本では年齢的に投与を躊躇する年齢の患者さんも入っている。講師の先生も、案外高齢者に投与しても大丈夫なんですね、と言っていた。DPP4阻害薬に比べると、(長期処方が解禁になっていなかったせいもあるが)売り上げはまだ少ないようだ。慎重に対象を選んでということなのだろう。

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小細胞肺癌

2016年03月15日 | Weblog

 昨日専門病院の呼吸器科から80歳男性が転院してきたが、活気がなくじっとめを閉じていた。今日はパッチリと目を開けて話ぶりにもちからがあり元気だった。病棟の看護師さんが(急変の前兆としての一瞬の輝き?)気味悪がるほどだった。今日胸部CTを撮ってみると、先月の陰影より縮小していた。

 癌自体に対する治療を行っていないので、先月の陰影は出血や随伴性肺炎の併発があったと思われる。ただ、胸水貯留と軽度の腹水があり、単純CTなので肝腫大しかわからないが肝機能障害を呈していることから肝臓内に転移があるのだろう。血小板数5万でD-dimerが80と上昇している。

 患者さんから、できれば退院して自宅で過ごしたいという希望もあった。夫婦ふたりの生活で、お子さんがいない。看病に多少協力できるのは姪だけだった。奥さんは病院に入院してもらって、日中頻回に見舞いに来ることを希望している(患者さんはけっこう巨漢)。もともと関節リウマチで整形外科からプレドニン6mg/日が処方されている。これをデカドロンに変更して(まず2mg/日で4mg/日も考慮)経過をみることにした。

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血液濃縮

2016年03月14日 | Weblog

 内科外来(再来)を診ていると、救急当番をしていた神経内科医から連絡が来た。施設に入所している精神遅滞の61歳男性が、嘔吐が続いて搬入されたという。残っていた外来の3人を診て、救急室に行った。

 昨日から食欲がなかったそうだが、嘔吐はしていなかった。早朝から嘔吐が始まり、そのうち吐物(ほとんど液体)がずず水様になった。腹痛はなく(訊いた限りでは)、下痢もなかった。胸腹部CTが撮られていて、消化管には有意な所見(CTで見る限り)はなかった。もともとは末梢血のHb11g/dlだが、今日は16g/dlに濃縮していた。TPも6.2g/dlから11.0g/dl(アルブミン6.9g/dl)に濃縮している。BUN60mg/dl・血清クレアチニン5.27mg/dlと上昇していた。

 数日前から嘔吐が続いたわけではないが、10時間弱でこんなになるのだろうか(なっているが)。3時間で1000ml輸液して、病棟に上がる前に再検すると、Hb14.0になっていた。病棟に上がってからは尿も出始めた。血液検査データが改善したら、上部消化管内視鏡検査をしてみよう(検査に抵抗しなければ)。

 当院の呼吸器外来に来てもらっている病院の呼吸器科から、小細胞肺癌の80歳男性が転院してきた。内科クリニックから当院の呼吸器科に右肺門部腫瘤(肺癌)で紹介された。そのまま自分の病院へ紹介したのだった。当院受診時から凝固系の異常と肝機能障害があり、気管支鏡検査で診断は付いたが、化学療法は無理と判断されて、緩和ケア(BSC)のみとなった。先週の金曜日に転院依頼の電話連絡が来たので、さっそく今日引き取った。1か月もたないと言われましたと奥さんが言っていた。すぐ当院で引き受けたことを感謝された。

 後は、HbA1c13%の86歳男性が糖尿病教育入院となった。この方は食事が昼夕の2食で、昼前に起床して朝昼兼用の食事をとる。今日は病院で昼食前にインスリン注射をした。夕の血糖を見た時に、担当の看護師さんに、昼に打ちましたっけと言っていた。一人暮らしで施設に入所する気がないこの方をどう治療するか。

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胆嚢結石・急性胆嚢炎

2016年03月13日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ていた。内科入院は4名。85歳男性は昨日からの食欲不振で、今朝は上腹部不快感があった。昨年末にも同様の症状で受診して、総胆管結石による閉塞性黄疸の診断で地域の基幹病院に紹介されている。総胆管ステント挿入の処置を受けて退院していた。

 今日の検査では血清ビリルビンは正常域で、肝機能検査は軽度の異常のみだった。腹部エコーと腹部造影CTで胆嚢内に多数の細かな結石があり、胆嚢管にもあった。総胆管拡張はなく、ステントはちゃんと機能している。ラパ胆の話が出たと思うが、総胆管の治療が終わると、そのままゲ家手術には回らず、いったん退院になる病院なので、何といわれて退院したかは家族も覚えていなかった。ラパ胆はできそうだが、この方はアルコール性肝硬変で軽度に食道静脈瘤もある。点滴と抗菌薬で経過をみて、明日外科と相談することにした。

 

 もう一人90歳男性は急な嘔吐で受診した。受診時は症状が軽快して、腹部所見もなかったので、年齢の割に元気だったこともあり、点滴とプリンペランで帰宅と思った。思ったが、点滴中に上腹部痛が出た。血液検査で肝機能障害と炎症反応上昇があった。腹部エコー・CTを行うと、胆嚢内に小結石が2個あり、debrisもあった。胆嚢壁肥厚は軽度だった。急性胆嚢炎・胆嚢結石で入院とした。

 昨夕からの右側腹部痛で87歳女性が受診した。結腸憩室炎を疑ったが、明らかな上行結腸憩室炎・虫垂炎はなく、結腸内の糞便が目立った。便秘だけ? それよりも、肝右葉を占める腫瘤に驚いた。腫瘍マーカーを提出してみると、AFPが測定できないくらい上昇していた。肝炎はない。画像診断だけだが、肝細胞癌だった。腹痛自体は治まっていたが、経過をみるため入院とした。

 救急車で搬入されたのは65歳女性で、朝起床時からの回転性めまいだった。BPPVでよいと思われ、入院になった中では一番軽度だった。インフルエンザの患者さんは相変わらず多い。

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耳鼻咽喉科からみた風邪

2016年03月12日 | Weblog

 「その症状は風邪?」中山書店を読んでいた。著者の橋口一弘先生は耳鼻咽喉科医で、感染症科の岸田直樹先生や山本舜悟先生の風邪の本とは記載している内容がちょっと違う。しかし、田坂佳千先生が「今日の治療」に書いた記事を引用していて、分類としては準じている。

 咽頭痛(のどの痛み)を痛みの部位別に鑑別を述べていて、上咽頭炎という捉え方は内科にはない。少しだけだが、咽頭炎・扁桃炎・扁桃周囲炎(この捉え方も内科にはない)・扁桃周囲膿瘍・急性喉頭蓋炎のカラー写真が載っていて参考になる。クラミジア咽頭炎・淋菌咽頭炎・梅毒咽頭炎の記載もある。

 columnとして診療のコツを多数入れている。gustatory rhinorrhea(摂食性鼻漏)として、辛い物を食べた時の鼻汁は、口腔粘膜からの刺激が副交感神経を刺激して出ている。熱いラーメンをすすった時の鼻汁は神経反射ではなく、鼻入口部の高温多湿蒸気により鼻粘膜上に再吸収されなかった水分が残り、呼気からの水分が加わったために鼻汁として出るというのが面白い。

 耳鼻咽喉科からみた風邪も興味深い。これまで扁桃周囲膿瘍・急性喉頭蓋炎・咽後膿瘍は耳鼻咽喉科へ紹介(搬送)させてもらっている。咽後膿瘍の患者さんは、搬送した耳鼻咽喉科から、その日のうちに大学病院へさらに搬送されて緊急手術になった。

 以前から、徒然草の全文が記載された本(古典全集の一冊ではない単行本)がほしかった。今日ジュンク堂書店で「徒然草全釈」清水書院を見つけたので、さっそく購入した。

 

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突然の胸背部痛

2016年03月11日 | Weblog

 昨夕51歳男性が突然の胸背部痛で救急搬入された。昼食は忙しくて食べられず、夕方に弁当とカップ麺を一気に食べた。食後に腹部膨満感が出現して、その後に胸背部痛・冷汗が出現した。症状が続くので、救急要請した。

 午後6時半に救急搬入された。当直医は内科の若い先生だった。たまたま帰ろうとしていた循環器科医も救急室にいた。急性冠症候群か大動脈解離かという予想だったので、まず心電図をとったが、まったく異常はなかった。症状は救急要請した時よりも軽減していた。血液検査では異常がなく、胸腹部造影CTで大動脈解離はなかった。所見としては、胃が食物で拡張していた。十二指腸球部から下行脚まで拡張していて、水平部が腹部大動脈と上腸間膜動脈に挟まれているように見える(角度は18度)。これまでそういう既往はないが、一時的に上腸間膜動脈症候群を呈したのだろうか。

 しだいに症状は軽快して、そのまあ左側臥位で休んでもらうと症状は消失して、帰宅となったそうだ。正確には、九州から出張で来ていたので、ホテルに戻った。細身の方だが、極端なやせでもない。最近の急激な体重減少もない。角度は急なので、過食でなりやすいということはあるかもしれない。十二指腸下行脚まである程度の拡張があるので、急性胃拡張とはいいにくい。

 内科の若い先生が電子カルテの診察所見のところに、CT画像を取り込んでいた。今日、消化器科医と外科医と画面を見ていたが、CT画像の取り込み方が誰もわからなかった(当院は電子カルテに移行のトレーニング中)。医者になった時から電子カルテだった若手は違うという話になった。

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