Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

criminal justice 感想

2014-09-28 19:59:00 | ベン・ウィショー
ベン・ウィショー君主演のBBCドラマ「criminal justice(2008)」をついに見ました。
ついにというのは、以前から見たかったのですがスチル写真を見ると暗くて悲惨な痛い雰囲気に満ちあふれて、どうも手を出しにくてですね。。。。


逮捕されて暗くなるなという方が無理なんですけれども・・・

まずタイトルの意味ですが、英和辞書では、刑事裁判、刑事司法、刑罰法、などと載っています。では刑事裁判の意味はall aboutによれば「刑事裁判とは、犯罪をした疑いのある人について、その人が本当に犯罪を行ったのか、だとすればどのくらいの罪を負わせるべきかを決めるもの」です。なんとなくcriminal justiceが「裁判ドラマ」であることがわかりました。60分×5回でシリーズ1完結。シリーズ2は別の話でウィショーくんは出ません。

写真が暗いのは、ウィショーくんの役は役名もBenなのですが、殺人事件の被告人だからです。しかもレイプ犯罪です。

*あらすじ

ベンはサッカー選手を目差す21歳の普通の子。父は黒タクの運転手。ある夜パパのタクシーを失敬して町に出たら、女の子を拾ってしまった。「海に行きたい」というちょっと不思議なその子にひかれて、アイスの食い逃げをさせられたりエクスタシー(ドラッグ)飲むはめになり、「今夜はひとりになりたくない」という彼女の家で一夜の関係を持つ。夜中に目が覚め、帰ろうとしたら、彼女は胸をさされ死んでいた。

警察に見つかり、留置所から刑務所コース。拘束もさることながら、もっと辛いのは他の犯罪者と一緒の生活だと思う。21歳の普通の子が精神病患者や刑務所の常連の強面がゴロゴロしている小さな社会に閉じ込められたのだ。

無罪を証明し刑務所を出なくてはいけないのに、警察と弁護士と裁判官からなるcriminal justice(刑事裁判)システムは、誰もベンの話は聴こうとせず、皆自分のキャリアに都合のいいストーリーを仕立ててベンに押し付ける。大人しくて従順なベンだけれども納得のいかないゲームの規則にはNoを言う芯の強さもあるのが唯一の救いだ。

裁判ゲームに勝ち刑務所を出るには、ベンには不利な状況証拠や目撃者が揃いすぎている・・・・


*みどころ

罪の是非とその重さを判断する近代システムのシステム自体が、善悪や正誤を問うのではなくゲームやショーのキャストやスタッフみたいになってる世界がひとつ。裁判が犯罪の捜査から始まるのではなく判決が下ってから本格的に捜査するなんて、シャーロックやモースを見慣れていても気がつきませんでしたよ?!

そしてその完成された権力と組織の世界にたったひとりで立ち向かうベンの弱さと強さ、家族との関係、正と誤です。

でね、ベンはここでも、少年のように華奢で無抵抗なのに、雑草のようなたくましさを見せるのです!現代の刑務所だからパフュームみたいに汚くはないのだけれど、荒くれ者が仕切る、これまた独自の法を持つ小さな世界では、いったいいつベンが襲われるのかと刑務所シーンはいつもビクビクしながら見ましたです。しかしな、この「無抵抗の可哀想な小さい生き物」がよっぽどウィショーくんが得意なのか、スタッフはこれでもかとベンを閉じ込めるんですよねー(いやそうじゃなくて逮捕されたらこういう世界なんだろうけれど)「籠の鳥」役が似合いすぎるのも困ったもんです。











いやとにかく、人の味方であるはずの法やそのシステム、ドラマの虚構がどこまでか一般人にはわかりませんが、法廷からクレームが来たそうです。

*受賞もしてます 

BAFTA:受賞・・・ドラマシリーズ/脚本
    ノミネート・・・男優/監督/編集

国際エミー:受賞・・・男優賞(ウィショ君すごいぞ!)

RTS: 受賞・・・最優秀男優/作曲/編集
  ノミネート・・・ドラマシリーズ/脚本/音響


ところで、このドラマの始まりと終わりに使われる曲は、ザ・ジャムの「悪意という名の街/Town Called Malice」です。これが21歳のベンにとっても合ってまして、昔から好きだったんですが、改めて歌詞を全部知りたくなったので訳してみたら、ますますドラマの内容に合っていたので、それはまた改めて報告させてください!嫌だといわれてもしちゃう・・・♪