Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

西洋更紗トワル・ド・ジュイ展

2016-06-15 20:58:00 | ファッション
昨日から始まったこの展示を見に、渋谷東急本店横Bunkamuraザ・ミュージアムへ行ってきました。



内部は撮影禁止ですので、お隣のカフェ・ドゥ・マゴとの間のディスプレイをパチリ。



私はこの手の1色刷りのロココ風版画プリントが大好きだったのですが、それが一つの会社によってマリー・アントワネットまでが着用するような人気生地ブームを生んでいたとは知りませんでしたので、とても勉強になりました。

本物の迫力は、生地の風合いと厚み、プリントの大きさ、盛り具合など、油絵が本物と印刷で全く違うように、今でも身の回りでよく見る亜流品とは全く別物でした。

最初展示を見て回っていた時にはだんだん疲れて「あ~、もうどうせプリント布地だし、展示だけで買えないんだから、似たようなものがショップで売ってたら買いたい」と思ったのですが、いざミュージアムショップで復刻版の日本製生地を買う気満々で手にとって見たら、「ぜんぜんさっき見たものと違う」だったんです。もちろん絵柄は復刻してるのですが、さすがに手染めの高級品と比べたら本当にゼロックスコピーみたいに思えたんです。

ということで、やはり本物は見られる時には見るに限る、と疲れながらも実感しました。

いつもは混雑を避けて平日午前中にイベントへ行くことの多い私ですが、それでも人気の展示はコミコミでよく展示物が見えないので、今日は仕事帰りの夕方に行きましたら大正解でした。ミュージアムは平日の夕方!だったのね。

さて代表作みたいなものは公式ページを見れば紹介されています。が、見てわかったのは、私の好みは典型的なロココではありませんでした。典型的なロココとはアントワネットなフィミニンで繊細、ちょっと牧歌的な感じですが、革命を経てナポレオン時代に入ってからは、もっと質実剛健かつ帝国の華麗さもあるデザインが出てきています。残念ながらそういうマイナー系はグッズにもポストカードにもなっていませんでした(涙)。

それと、笑っちゃう不思議な生き物がいるんですよ!



「コクシグル」と名付けられたこの生き物は、いくつかの動物を合体させてあり、このプリント(公式より)の上で切れているシマシマの生き物の頭部はこれなんです。(下)



この頭部はポストカードになってるのですが、ポストカードには胴体が切れていてないんです!ひどい!全身写ってるのよりも愛らしいのに。


それと、画家のデュフィが、この流れのテキスタイルをやっていたことが展示で判明しました。その実物が島根県立石見美術館に所蔵されています。今回の展示にも貸し出されていて見ることができました。トワルの時代よりもぐっとモダンで、70年代ロンドンで活躍したテキスタイルデザイナー、セリア・バートウェルにも通じます。

写真が撮れなかったのがなんとも残念なのですが、その中に馬の半分抽象的なテキスタイルデザインがあって、私の持ってるリバティプリントにもよく似ておりました。(下)全く田園貴族プリントとは別物と思っていたのに、やはり好きなものはどこかで繋がっているんだなあと感動です。






上は私が昔手作りした安価なコピープリントの生地で作ったお座布団。