キャストが、地味に豪華です。
ベラ:ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ(ダウントン・アビーのシビルちゃん)
隣のおじさん:トム・ウィルキンソン(フル・モンティに出てたらしいけど記憶にないなあ・・・)
ヴァーノン:アンドリュー・スコット
ビリー:ジェレミー・アーヴァイン(戦火の馬の主役)
図書館の上司:アナ・チャンセラー
1時間40分あまりずっと面白かったです。他の英国映画と同様、淡々と物語が進んでいくのですが、会話、衣装、部屋、建物、小道具、そして庭がとてもよくできていました。
ここからネタバレあり
主人公ベラのこの衣装が、なみなみの襟がとってもかわいくて、色違いでこればっかり。つばのあるフェルト帽にコートにブーツを合わせたシルエットはメリー・ポピンズみたいなのですが、修道院育ちで潔癖性のキャラを表しているのかな。
ストーリーは「潔癖性の孤児が愛を見つけて心を開き夢を実現させる・・・」ような、結構シビアな現実なのですが、舞台&衣装が完璧にデザインされていてファンタジーに仕上がっているので、辛い思いをしないようにできているところが好きです。
逆に言うと、脚本・監督のサイモン・アバウドが広告やファッションの映像出身なので、きれいな架空の現実を作り上げるのが得意と思われ、現実にはありえないでしょというツッコミはたくさんできます。
例えば、潔癖性の主人公がなぜ遅刻魔なのか。ドアに鍵がかかったか気になってなかなか家を出られないのはわかるけど、潔癖症だったら時間もぴったり合わせようと思わないのかなー?その辺は病理に詳しくないのでわかりませんが。
潔癖性で全てを秩序立てている人が自分の家に人が入ってお料理したり子供が遊んだりしたら気が狂うと思う。
孤児で図書館のバイトなのに、なぜロンドンのあんないい家に住めるのか。
植物恐怖症の治りが早すぎ。
ヴァーノンは男手一つでふたごの女の子を育てているのだけど、本人に洒落っ気のある設定ではないのに子供の衣装やヘアスタイルが完璧。
家を借りる時に隣人が大家だと言わないのはありえない。大家か管理会社かは契約する時にはっきりするはず。
・・・などなど現実的なことを考えながら見てしまいますが、クマは出てこない「パディントン」みたいなものと思えばいいわけですね。
出来上がった世界が好きか嫌いかが評価の分かれるところかもしれません。