モダン建築のル・コルビュジエの名前は知っていてもアイリーンは知りませんでしたが、映画の冒頭に出てきた、クリスティーズの「イブ・サンローラン&ピエール・ベルジェ・コレクション 世紀のオークション」(これが正式名称らしいです)で史上最高額で落札されたのが、アイリーンのデザインした椅子だったという、評価の高いインテリア・デザイナー/建築家でした。
物語は1920年代から始まり、70年代までという、衣装を見て楽しむのにも良い時代で、インテリアとしても20年代といえばアールデコの時代、モダンデザインの創世記ですから、彼女のデザインは当時最先端だったはず。しかし彼女はスチールパイプを家具に取り入れていたのでミッドセンチュリーの機能美の追求に入っていたようです。
しかしその辺がこの映画だけでは、比較対象になるクラシックなヨーロッパ様式があまり出てきてなかったので、自分のおぼつかない知識をもとに想像を膨らませるしかありませんでした。
舞台は南仏なのですが、アイリーンはアイルランド出身でダブリンに博物館があるとのこと。
てっきり私は、アイリーンとル・コルビュジエは恋人同士なのかと思って映画に行ったのですが、全くの勘違いで、アイリーンにはハンサムな優男風の恋人がいて、ル・コルビュジエは彼に比べたら、早すぎたキース・ヘイリングみたいなエキセントリックな風貌と行動で、とても知的美人のアイリーンと恋愛しそうなキャラではありませんでした。
彼女は100年前に芸術家というかビジネスウーマンとして成功していた現代的な女性ですが、恋愛もバイセクシュアルだったとのことです。映画でもいつも女性に囲まれている印象が残ったのですが、彼女たちは秘書とかスタッフなのかと思いましたが、恋人だった可能性が濃厚です。
アイリーンを演じたオーラ・ブラディは、ちょっとシャーロット・ランプリングを思い出させる素敵な人でした。
映画の宣伝スチールは、ジュリアン・レノンのクレジットが入ってます。