Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

帝国ホテルのアフタヌーン・ティー

2014-12-16 19:34:00 | たべもの
いつのまにか趣味となっている感のあるホテルのアフタヌーン・ティーです。今回は「イギリス風の重厚な雰囲気」に惹かれて帝国ホテルへ行きました。

記述通りのクラシックなインテリアと、最上階(17階)の大きなガラス窓から眺める東京一等地の景色でいい気分です。

季節によりクリスマス・メニューで、スタッフの方に通常のティーとの違いを尋ねたところ、ケーキがクリスマスらしいセレクションになっているとのことでした。

ティーは冷たいのと暖かい飲み物のメニューから、何回でも何種類でも注文でます。ポットはカップ2杯分くらいの大きさなので、気になるフレーバーがいくつかある場合はとっても嬉しいですよね!

まず前菜のような小さなプレートが出てきます。それはお菓子ではなくポタージュを含むお料理でした。

その後でいよいよ3段トレーです♪


こちらの写真は同行してくれたykhiroseさん撮影

下段のサンドウィッチではキッシュが嬉しいサプライズでした。

中断のスコーンにはクリームとブルーベリージャム、それにオレンジピール入りのブリオッシュも美味。

上段に到達する頃にはもうお腹がいっぱいになりつつあって、実は味がわからない状態に。そんなコンディションで帝国ホテルのケーキをいただくなんて不本意ですので、冷たい飲み物(ローズとなんとかのカクテルのような甘いけどさわやかな味でした)で心身をリフレッシュしてからいただきました。マカロン2種とクリームの乗ったクリスマス風ケーキが2種、グラス入りのフルーツの乗ったカスタードのようなパンナコッタのようなもの。お腹の容量は限界近くまでいっぱい・・・

次回への反省点としては、私はお菓子とお茶を100%楽しみたいので、定例の順番を守らずに、上段のケーキから食べることにしたいと思います。そうすれば味に集中できるはず!そうだ、このチャレンジ精神を糧に、東京ティークルーズの旅を続けるぞ!


ところで、同じ階に「バイキング・サルー」というレストランもあり、北欧料理のビュッフェということでそれもぜひ行ってみたくなりました。今回ティーをした「アクア」というレストランでも、ランチタイムのビュッフェは人気アトラクションのようで、年配の紳士ご夫人方が楽しんでいらっしゃいました。しかし「バイキング・サルー」は、日本でビュッフェ形式のお食事のことを「バイキング」と呼ぶようになった原因の、日本初のビュッフェ・レストランなんだそうです。老舗とか伝統とかに弱い私としては、やはりこれも経験してからでないと死にたくないな~と思った次第。





NTLive オセロ 感想

2014-12-15 16:48:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
今年、ベネディクト・カンバーバッチの「フランケンシュタイン」で始まったナショナル・シアター・ライブもいよいよ最後の演目「オセロ」となりました。舞台と言えばバレエとミュージカルしか興味のなかった私が、全部見ました。自分でも驚いています。

なぜ全部?それは来年の8月にたぶん見る「ハムレット」があるからです。チケット完売後に婚約発表なんて事態になりましたけれど、胸やぶれたコレクティブですけれども、久しぶりにロンドンに帰るいいきっかけだし、どうせ世界で1番求められたチケットを手にするならば、その作品を多角的に見られるように他の舞台も見ておいた方がいいと思ったのです。

シェイクスピアも3つも入ってました。イギリスの映画やドラマに引用される率ナンバー1のシェイクスピアの一流の舞台を見るチャンスでしたから。昔、娘のヴァイオリンの先生が言ってました。「本物だけを聴くといい演奏と下手な演奏の区別がつきますよ。」これが舞台鑑賞にも当てはまると勝手に思いましたですよ!



あらすじ:

舞台はヴェニスの軍隊、時代は現代。黒人の将軍のオセロは、若くて美人の白人奥さんデズデモーナと新婚。オセロの部下イアーゴーは自分が評価されないことに逆恨みを抱き、デズデモーナが不倫をしているとオセロに思い込ませ、オセロに奥さんを殺させてしまう。


キャスト&スタッフ:

「オセロ」の第一印象はNTライブシリーズで一つ前の「ハムレット」と似ている!と思ったら、俳優ロリー・キニアだけでなく同じ監督・デザイナーでした。

この舞台、この主要キャスト3人がそれぞれはまり役でした。

オセロ役はエイドリアン・レスター、私は初めて見ましたが、勲章(将校/OBE)を授与された俳優で、同じランクの人にはヒュー・ローリー、JKローリング、野田秀樹や吉田都など日本人もいます。つまり、成功している大御所俳優なんですね。そこがオセロに必要な威厳のある存在感にぴったり。

ロリー・キニア演じるイアーゴーはオバカな友人や同僚をダシにしてあたかもデズデモーナが浮気しているかのように工作します。オセロには忠実な部下のふりをし、同僚には虚勢をはっています。ロリーはテノールぽい声を張り上げることが多く、軍人として上にいる人間だと主張しているようです。

オセロの妻デズデモーナ役は、見覚えあると思ったら二つ前の「リア王」で三女の役だったOlivia Vinallという、プラチナ・ブロンドに可憐な瞳の乙女役にぴったりの女優さん。

この戯曲のテーマは「嫉妬」だと公式パンフレットの解説に書いてあります。愛する妻を殺して自分も自害するほどの悲劇を引き起こしたのは「待機中の軍隊という閉ざされた世界」と。

確かに狭い世界ではちょっとしたことも大きく気になるものです。いったんその考えに捕われたら、他に目を向ける対象がないので、そのことで頭がいっぱいになってしまいますよね。うん、それはわかる、でも・・・・

私が「あああ!」と感情移入してしまったのは、ベッドで奥さんを殺してしまうオセロが、それはそれは奥さんを愛してる様子を見せた時でした。

軍の将軍と言ったらかなりの高官です。ヴェニスといったら、保守的なイタリアの中では自由な都市国家だったからムーア人という有色人種でありながらもその地位につけただろう、とシェイクスピアは設定したかもしれません。でもヨーロッパでは今でも有色人種が白人組織で出世するのは少ないです。つまりオセロは軍で相当の功績がある強者で、将軍という地位から考えて年齢は若くても40代。白人社会で相当な苦労をしていることは、娘を嫁にとられた奥さんの父親の怒りよう、嘆きようからわかります。人間だと認められてないくらいです。

そんな彼が、若くて奇麗な箱入り娘のお嬢さんに愛されて結婚できたんです。だから、イアーゴーの罠にかかってしまったんだと思います。閉鎖的な部隊やトルコの暑い風土も理性を狂わせるけれども、オセロの場合は特殊で、有色人種である劣等感の方が大きくないか。彼女に愛されることで幸福ながらも、自分を何10年間も虐げてきた白人社会の権化のような色白の奥さんに、自分が愛されているという自信がなかったのではないかな。

だから、ものすごく愛してるのに、自分を愛さないと思った奥さんを、泣きながら子猫の首をひねるように殺してしまう。そして死んでしまったと、また泣く。その時の奥さんをなでる仕草が悲しくて悲しくてたまりませんでした。それまでは、劇を見ながらイアーゴーの策略なんかにひっかかるなんてバカな将軍だな、と思いながら見ていたのですけど、あのぐずれるオセロを見た瞬間、愛すべき人間の愚かさを見たと思いました。

いくらシェイクスピアが天才でも、ヨーロッパの上層部に生きる有色人種の心理までわかっていたのかどうかは謎です。むしろ450年前に黒人の将軍を登場させたところからして斜め上を行っていたのですね。

ロリー・キニアの狡猾ぶりもうまかったのですけれど、ダウントン・アビーのトーマスほどには憎らしくないのは、つい「カムバック!」のダサかわいい姿を思い出しちゃったからかなあ。ロリーの演技を賞賛する方々には申し訳ないとは思っています。




ナショナル・シアター・ライブ、まだ来年の話は何も見かけませんが、今年のチケットは売れたのでしょうか。私が行った劇場は六本木と日本橋のTOHOシネマズでしたがどの作品も7割以上は席が埋まっていたと思います。特にベネディクトとトムヒの時は満席に近かった♪

シェイクスピアのような正統派も、それから「夜中に犬に起こった奇妙な事件」や「ピーター&アリス」などの新しい作品も見たいので、また来年に期待します。ぜひよろしくお願いします!







エルメス・レザー・フォーエバー

2014-12-13 15:01:00 | ファッション
期待以上にすばらしい展示でしたので、早くお知らせしなくては!と写真だけでもアップします。

エルメス・レザー・フォーエバー 12/23まで上野公園内 国立博物館で開催しています

この美しい美術館に無料で入場でき、普通に入ると有料の常設展まで見ることができる、またとないチャンスです。入り口はゲイトの向かって左側がこの展示の受付になります。

ゲイトから入って、向かって左側にこの立派な館があり、そこが会場なんですよ!



中央のドームは、入り口を入ったホールを見上げるとこのようになっています。
この下ではレザーの展示が展開されています。



バッグや革小物製品の展示室でも馬関係に反応してしまいます。
この部屋では、パリの工房からバッグ職人さんが出張してきていて、実際にエルメスのバッグを作っている現場も見られます。



展示は2階にも続き、先ほどの丸天井のホールのまわりでも、馬具のパーツが展示されていて、実際に手に持って感触を感じることができるのですよ!お気づきのように展示の写真撮影も可ですし、外国の博物館の流儀でやっているのだなあと思いました。偉い!エルメスさん。



ブランドは馬の鞍づくりから始まったので、馬関係の大きな展示が2階にはあり、胸躍ります。



馬や人はいないのに、ヘルメット、鞭、鞍、ブーツ、バッグなど、エルメス製品が空間の所定位置に配置されるという演出。下の写真は横から見たところ。



そしてクライマックスはエルメスの馬具をつけた馬の模型に実際に乗ってみることができるこのお部屋です。逆光により顔が見えないのがこれ幸いとアップすることができます(笑)。



これ以外にも、林檎ケースを含むバッグの数々、レディや紳士が旅行に持って行くクロゼットになっているトランク、レザーをあしらったモーターバイクや自転車、皇太子時代のエドワードがシンプソン夫人のために注文した香水を運ぶための手押し車などの展示も充実しておりました。

コストパフォーマンスなど考えずに作られたものには、魂が宿るというのが私の持論です。人間の芸の極みを見ると魂がシンクロして浄化されるような気がします。

単に馬の模型に乗れて興奮状態になっただけかも知れませんけど。。。。

クリスマスのお菓子

2014-12-11 23:18:00 | イギリス
在英の友人がプレゼントを送ってくれました!(感涙)



大好物のシュトレンと怪しい顔のビスケット!!!!!

シュトレンのパッケージは英語ですけれども、ドイツ原産と印刷されてますので本場の味ではないですか~?!

もうひとつの「Festive Faces」、英語のfestiveは日本語にしても「祝いの/陽気な」という意味だから、文字通り「めでたい顔たち」「陽気な顔ぶれ」ではないですか~!ラズベリー・ジャムとクリームが挟んであり、これも私とマット・ドクターの好物「ジャミー・ドジャー」ビスケットのクリスマス・バージョンと言えるな♪

友人のメッセージには「ご家族みんなでどうぞ」とあるのですが、クリスマスにはうちは義理の家族が来るので家族が増えてしまう・・・こ、これは奴らが来る前に食べてしまわなくては!

ビリー・エリオット ミュージカルライブ

2014-12-10 21:49:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
ビリー・エリオットのミュージカルは2009年にロンドンで見ていました。(その時の感想がこちらの過去記事にチラリと。)


これは、一緒に見た当時7歳の娘が作ったスクラップブックで、アイスのふたも貼ってある(笑)

こちらはパンフレットの表紙

3人ともビリー役。彼らも今回のライブ収録で、歴代のビリーとしてステージに上がっていたのでしょうけれど、見つけられなかったなあ。

映画の「BILLY ELLIOT/リトル・ダンサー」は2000年、そしてミュージカルのこちらは2005年に初演でした。

物語の舞台は1984年のイギリス北部の炭坑の町。サッチャー政権のもと、炭坑閉鎖にあえぐビリーの父親と兄を含む労働者達。ビリーのママは亡くなっていて、ちょっと認知症のおばあちゃんがいる。ビリーはボクシング教室の後にあったバレエ教室にパパに内緒で通いダンスに夢中になる。先生はビリーの才能に気づきロイヤルバレエ学校のオーディションを受けて、ビリーに正規の教育を受けさせたいが、男がバレエなんて何の冗談かと思う田舎者の親父さん・・・

映画の方も好きでしたが、ミュージカルはもっと好き。
第一印象でしか比べてませんが、映画は(私の見た時に知識がなかったからかもですが)炭坑夫のストやサッチャー政権のしていることがあまりよくわからず、暗いイメージが強く残り、ビリーの家族やバレエの先生もイギリスの田舎の人達以上の印象がなかったのです。
映画で加点がぐぐーーっとつくのはラストシーンで、ダンサーになった14年後のビリーとしてアダム・クーパーが「白鳥の湖」を踊り、女装が趣味だったマイケルが客席で拍手をおくっていました!

ミュージカルでは歌と踊りが増えるし、私の印象ではお笑いシーンも多いので、ストや政治の怖いシーンもありますが暗さはあまり記憶に残りません。それに演出や舞台デザインでその辺の難しそうな話もよくわかるようにできていました。

そして何と言っても息をのむのは、ビリーが、ずっと舞台で歌って踊りっぱなしで、演技も上手なことです。12歳前後の子供の能力に胸を打たれてしまいます。

ミュージカルだからなんですけども、踊るのはビリーやバレエ教室の女の子達だけでない。炭坑夫も、警察官も、ビリーのおばあちゃんも歌って踊る何とも不思議な光景がかわいいったらありません!

80年代前半の衣装もすごくかわいい。特別な衣装じゃないけれど、アディダスのレトロなジャージとか、とってもださいビリーパパのエプロンとか、真面目に言えばビリーの友達のマイケルが、眼鏡のナードっぽいいじめられっ子っぽい子なんだけどグレーのダッフルコートにカラフルなニット帽姿がとってもオシャレなんですよ!と言ってもそれはたぶんごく普通のイギリスの制服姿なんだけど。彼のママのクロゼットにはファンキーなドレスが詰まってたからママの血筋なのかな、女装は。

マイケルはクリスマスパーティーのくじでボールが当たりますが、乙女な彼は他の子と「シンディー」ちゃん人形に交換してもらいます。シンディーはイギリスオリジナルの人形で60~80年代に大人気で着せ替えのお洋服もオシャレなんです!(実は私も数体持っております。)イギリスの客席はけっこう年齢層が高く、ここで笑いが出てました。

シンディーちゃん人形のように、80年代を象徴する固有名詞は台詞にもいくつか出てきたのですけれども、残念ながら私にわかった人名は有名なボクサーの名前くらいだったかなあ。

現在でもそうですが、バレエが小さい女の子の憧れなのに反し、男の子のバレエダンサーは全員ゲイだとの誤解をビリーのパパが体現しておりました。たったひとつだけ私が首をひねったのは、そんなお父さんが、ビリーが一人で「白鳥の湖」を踊っているのを偶然見てしまった時に、息子には才能があると目から鱗が落ちたことです。まったくバレエを知らない人の心をも揺さぶったのはわかるけれども、それでロイヤルバレエ学校に行かせなくては!という決心に至るには、お父さん見る目がありすぎやしない?ただの炭坑夫なのに。

これに回答があるとしたら、ダンス好きのビリーのおばあちゃんでしょうか。男性に頼って生きるしか道がないと思ってた時代のおばあちゃんは、踊っている時だけ嫌な現実を忘れて夢中になったと歌っていました。その血をビリーのお父さんも一応ひいてるわけですので。


12/11追記

ロンドンで見た生の舞台と、今回のライブ映画を一緒くたに感想書いてしまいました。
実は私、生と映画と両方を見たのは初めてでした!
月並みですが生身のパフォーマンスを目の前で見るのは実体験ですので緊張感と迫力は映画の比ではないんですね!客席の中で、集中のあまりどういうわけか身動きもできない(笑)。

特にビリーの場合は踊りも激しいし子供だしで、ついつい見守ってしまうナニー目線もあったのかも知れません。バレエの舞台は大人でも技が成功するかどうかひとつひとつのステップをドキドキしながら見てしまいます。

一方、映像の利点はアップで見られることと字幕があることにつきます。
顔の表情だけでなく、全身を見るダンスシーンは劇場最前列で見ているくらいの距離感でカメラがとらえてくれていました!そして字幕は、聞き取りにくいイングランド北部訛りの英語ではわからなかった細かい台詞がやっと理解できますからね~

そして、今回のライブ映画収録舞台では歴代のビリー役を演じた少年達が成長して集合したラストシーンも大迫力でした。12歳前後から10年近く年月が過ぎれば皆大人になって、そして皆ダンサーを続けているということに感動しました。変声期前の少年の細い身体もかわいいけれど、大人のダンサーの筋肉は芸術作品なみに美しいと思います。だからバレエファン以外の人からは疑問に思わているけど男性のコスチュームがタイツなんだと思うんです。下半身の筋肉の動きが見せ場なのですよね!




Good News !!

当初はたったの1週間のみの上映予定でしたが、12/12(金)からTOHOシネマズ有楽座にてのアンコール上映が決まったそうです! 公式サイトはこちら