ご注意!エピ3、今回はラストまでネタバレ満載です。
冒頭からユリアとの回想シーン、ロンドンのジョーのフラット。(あれ?ユリアとのことはポーランドやロシアで起きたと思っていたので意外でした。)室内の壁ははげてる所もあるし、絵も写真も飾ってないので、ユリアに「ホテルみたいにつまらない。あなたらしいものがない。」と言われます。そういう部屋がジョーの匿名性を表していて、実は非常に彼らしいのですよね。この時にジョーはユリアにやっと本名を明かした、付き合い始めの頃だったから、ユリアは彼のことを知りたかったんでしょうが。
アルカディはすでにソビエトの信用は失っているかもと疑うジョーに、ダディは「The Game is still on.」と言ってタイトルに入ります。「まだ獲物は泳いでいる」くらいの意味?(キャビプレのファンはヘンリー5世→シャーロック・ホームズに受け継がれたこの台詞を勉強しましたね!)
このタイトルバックが、当時の新聞やロンドンのスカイライン(当然シャードやロンドンアイはない)がセピア色で重ねられ、そこに赤くソビエトの象徴が差し込まれ、渋~~い。ここで、視聴者を70年代の空気に引き込む狙いを感じます。ベルリンの壁崩壊前でしたからね。西側にとってソビエトの怖さは本物だった時代。
Katharine(ケイト) Wilkinsonという女性がアルカディからコンタクトされます。MI5チームがレストランで彼女を観察しましたが、プロにはプロの見分けがつくようです。ボビーにも「36歳、独身、親戚なし、職業は・・・、米国国防省の愛人あり」と調べられてる。(スパイには狙われたくないですな。)肝心の彼女が受け取ったアルカディからの伝言は「Detained by Bears.」。彼女が何を伝えられたかを捜査するのが今回の使命です。
サラとアランはケイトのフラットに盗聴器を仕掛けに侵入。ドアの前にある小さなガスか電気のレンジ、私も使った事あります。あれでもオーブンがちゃんとついてるんですよ。この時代、ちゃんとしたフラット(家の間借りでない)もbed-sit(ドア開けたらいきなりワンルーム)が多かったのかしら。ジョーのフラットといい。
その頃ジョーとジムはケイトを尾行して駅のカフェです。ケンブリッジ経由Lakenheathと向かったいうことは、キングスクロス駅の設定ですね。パリッとベルベットのジャケットを着て盛ったヘアスタイルのケイトのことを
ジム「あんな普通の女の子がどうして国を裏切ったりできるんだ?」
ジョー「かわいい(pretty)って意味?」
ジム「いや・・・あ、そうかな。人生苦労ないだろうに。」
・・・・ジムにもジョーにも彼女は美人の範疇に入っているということですね。私、このドラマの美人基準ちょっとよくわからないけど、若くて金髪でというステレオタイプじゃないことは良しとしよう。
ケイトが向かった場所は空軍基地のある土地、アメリカの飛行機が到着した情報をMI5は入手していますが、そのことをアメリカに知られてはならないので早まった行動は許されません。うむ、イミテーション・ゲームの時からスパイ行為の鉄則か。アメリカは核兵器をイギリスに持ち込んでいるのか?秘密編成チームがジョー&ジムとは別に向かいます。
ケイトと同じ電車の同じ個室に乗ったジョー、同じペーパーバックを駅の売店で買い込み作戦開始。戦闘態勢に入ったジョーはいつもと違う顔が見えておもしろい。エピ2の娼婦の視線でも思ったけれど、こんな女に困らなそうな男が積極的に女性に接近するのはそれだけで不自然なのに、人好きしそうな人格まで装ってかなり怪しいです。でも美人スパイに要人がコロコロやられるように、そのまた逆もありなん。でも美女の媚態は見慣れてるけど美男のそれは見慣れないので平静では見られないです。私が焦っても意味ないけど。
しかしジョーは尾行を悟られ、車内チェイスをした挙げ句、ケイトはMI6だと自己申請・・・?!
地下駐車場のような所でケイトに質問するジョー。車内でもみ合った時にケイトがロシア語で話したのはなぜか知りたいジョー。はい、私も知りたい。しかし彼女は解放され(MI6だと確認とれたのかな)謎は残った。
ジョーが身体を張っていた頃、ダディは中国人ダンサーの元へ通い、なんと亡命をお願いされてしまう・・・そうか、この頃、中国ももうひとつの共産党国家(一応今もだけど)、私がわからないのは、彼女は香港人だけど72年当時は英国植民地、それでも亡命しないと長期で外国には住めなかった・・・?
ダディはダンサー、メイの書類をウェンディに処理するよう渡し、これが結局ボビーの手にも渡って来ます。(状況はニクソンの中国への出方にもよる、と同僚も言ってましたが、イギリスにとっての冷戦とはアメリカと組んで、ソビエトだけでなく中国も向こうに回していたのだと改めて。)ボビーの家に間借りしているウェンディは、話のついでにうまくボビーに丸め込まれてメイの楽屋に盗聴器入りの花を送ることになります。ボビー、うまい。
ところでダディがこっそり会った男は、ケイトの上司、MI6の幹部Cですね。MI5のジョーがロシアスパイと思って拘束したのがMI6の人間だったことで2人の間にちょっとした緊張が。ダディによればC、ケイトの愛人チャンバーズと何やら取引していると。そしてCがLakenheathにケイトを送ったこともわかりました。(ところでC、アントン・レッサーだ。暗いトンネルの中で顔はよく見えなくても声でわかるよ、新米モースでも裏切りのニュースでも偉い人w)
チームの会議にて:アランの盗聴でケイトがロシア人カスミアと会うのを知り、ダディはチームに現場を押さえるよう命令します。ダディはボビーがカスミアについての情報を逃していたと示唆、ボビーはカチン。さらにダディはジョーに彼女を誘惑して二重スパイに仕立てる命令を。ここでジョーの脳裏に過ったのがユリアとの過去。つまりユリアとの出会いも似たような状況だったということか。(色男スパイも辛いですね。女スパイの方が非情になりきれるような。男の方が恋愛に後を引くとは言いますが、本当だなあ・・・)
と言いつつ、作戦決行するジョーを見るのはまたおもしろい。別の人格を演じるスパイを演じるなんて俳優として楽しいでしょうね。あ、この感情は下手な芝居をうつシャーロックに受けるのと同じかな。
ワインを片手にケイトのフラットににっこりと現れるジョー。
「Boy Scouts. Book club president. ボーイ・スカウト、読書部部長です。」
わはは。ケイトを拘束した時に彼女がジョーをなじった時の言葉を逆手にとってます。これ日本のドラマでやったら「ふざけないでよ!」とドアを閉められそうですが、受けたケイトは入れてくれる。いや日本でも関西だったら受けをとれば入れてくれるのかな?(私だったらマジ読書部マネージャーやりたい!)
ジョーが真っ向からやって来たことにケイトは呆れてますが、ひるまぬジョーがワインボトルで戦闘態勢を崩しません。とその時停電で部屋は真っ暗に。
ジョーは、電車で会った時にケイトが自分を恐がった理由をきくと、
K「口では口説いてるみたいなのに、ボディランゲージが、目が、そういう時の男のものじゃなかった。」
J「僕が流し目を送らなかったからKGBだって?」
K「本当は、主に、本よ。同じ手を私も使った事あるから。でも違うのはね、いつもまず本の背を折るのを忘れないようにしてたわ。」
ケイト、互角!とジョーも思ったのだろう、単刀直入に彼女がなぜカスミアと会ったのか尋ねました。この辺で逆にケイトの方が質問してきます。なぜカスミアと彼女にMI5が目をつけているのかと。(最初6とか5とか意味わかりませんでしたが、MIを略してたのですね。)ジョーがケイトのことを「Boundless.」(無限)だから、と言い寄る姿勢を崩さないので、ケイトはますます呆れたお姉さん顔に。
K「本当?たしかにいいでしょうね。あなたはキレイだし、ふたりともプロなわけですもの。で、それで?私がプロの訓練を忘れて、あなたにクラっときちゃう?ペラペラしゃべっちゃう?」
J「チェンバーズとは6の命令で寝ていたのか?」
K「6は決して私に命令しないわ。何をしろなんて。あなたは5に私とヤレって言われたの?」
J「何をしろとは言われていない。」
K「こうしない?あなたは今晩はお休みなの。そしてただ知りたいことを私にきけば?」
J「君はソビエトの工作員か?」
K「ノー。どうしてそう思うか教えてくれる?」
J「ノー。」
この後、ジョーは、尻尾を捕まえられて一生刑務所暮らしをするか、二重スパイとなり5に協力するかどちらを選ぶかききます。この時オーデンの名前にケイトは反応しませんでしたね。そして彼女の答えはどちらでもなく、尻尾は出さずにダディが賭けに負け仕事を失う、と。でもジョーのことはいいお友達だから弁護する、と。(ケイト姐さんかっこいい・・・この2人は同類の絆を持つのかな?)
同時刻、サラ&アラン、ダディ、ジムはカスミアの家を張り込み。街も真っ暗。家の主が外出したので2人は侵入して盗聴を仕掛ける。意外にも主はすぐに帰宅するが、サラは壁の絵の後に何か見つけて取り出した。それは銀行明細とアンナ・カレーニナからの1節。サラは何とケイトのフラットに電話し、ジョーにケイトの本棚にあるアンナ・カレーニナの本を調べるよう命令する。果たして本には数枚の紙が挟んであった・・・!驚くケイト。
それはLakenheath(基地)の核爆弾搬送を含む詳細な情報だった。KGBに気を取られている間にアメリカが核爆弾を運び込んでいたのだった。ダディチームは、ケイトはその爆弾をアメリカ側の事故に見せかけ破壊する計画だったと推理。チームは当初、ケイトの情報入手先はアメリカ人チェンバーズと読んでいたが、ジョーがケイトとの会話により疑わしいことに気づいた。
そのチームミーティングが解散した後、ジョーはアランを捕まえ情報をもう一度調べるよう頼みます。ちょっとここ、私話がよくわからなかったのだけど・・・・?
そしてジョーはケイトをもう一度取り調べ。レストランで男からの電話伝言「Detained by bears」の意味を尋ねますが、「ただの2人の隠語『二日酔い』でKGB暗号ではない。本の情報は見た事もない。カス
ミアが私が6だと気づき罠にかけたんだ。」と。彼女のうろたえよう・・・確かにそれが本にあったことは知らないようだけど、だからシロとも言えない・・・と私は思ったけど、ジョーはこの尋問中に本名をケイトに明かします。それって彼女を信頼したってことでしょうか。
そのカスミアは行方不明となったので、彼の追跡をケイトが協力することに。
結局ウェンディはボビーの命でバレリーナ・メイに盗聴花束を送ったことはダディにばれてしまいます。ここでウェンディはダディに彼女の行動規範を尋ねられるんですよね。数年秘書だった彼女にはボスの命令を聞くことしか知らなかったのですから、彼女の職業意識が揺れます。
そして調査によりメイには夫があることを知ったダディ。どうする?!ダディ。
ボビーの家の屋根裏に間借りしているウェンディは、帰宅してボビーと猛烈ママの会話を聞いてしまいます。ボビーが公に結婚さえしていれば、誰と何をしようが勝手だけれど・・・って、ウェンディとの仲を身分違いの情事だとでも勘違い?
盗聴テープをダディに知られたとは知らないボビーに、ウェンディは破棄したと伝えます。そして何と彼女によれば、ダディはメイを国外退去にすると。バレエ団からクビにも。(え?!そんな勝手だぞダディ)そして、間借りは続けると宣言します。あれ?ウェンディの真意がちょっとわからない。ウェンディは猛烈ママの勘違いを利用してボビーを助けることで優位に立とうとしている?ゲイだと気づいてる?ボビーも複雑な表情で部屋を出ました。
ケイトの情報を頼りに失踪したカシミアを追うジョーとジム。(MEN’S BATHって店に書いてあるけどこれってゲイのナンパ場?と思った私は間違いですか?この時代はホモは犯罪だし??)スチームの中に見つけたのは、刺されてバスタブで瀕死のカスミア。カスミアは果たしてオーディンを知っていました。オーディンに操られ、10年間彼女に騙されたと思いケイトを陥れたとジョーは聞き出しました。
シャツに血をつけたままチームに戻りミーティングのジョー。ジョーの説はカスミアがソビエトスパイで、ケイトはシロ。ダディの解釈は、アルカディの裏切りを嗅ぎ付けたKGBが前エピで死んだトムの失敗以来MI5にカモフラージュのため意味のない捜査をさせたと。しかしそれではなぜ核爆弾情報を犠牲にしたのか説明がつかないが、アランが再チェックしたアンナ・カレーニナ情報はロシア製ではなく、おそらくケイトが作ったのだと言って来ました。しかも60%は本物で40%は精巧なねつ造だと。それもKGBのMI5を惑わす作戦か?
ここでこのエピは終わりですが、捜査の途中に、おしどり夫婦のサラ&アランのプライベートがさりげなく出て来ました。彼らは子供が欲しいけどなかなか恵まれないのですが、アランはサラが避妊薬を持っていることを知ります。!!サラが表面上は夫ラブラブな妻なのにアランを騙しているのは、彼女がKGBスパイだからでしょうか。
<単語集>
このドラマで使われた状況での意味をピックアップしてます。主に英辞郎。
ボビーの台詞に、私がよく調べなくてはならない単語や表現が出現するんですが、
彼の高学歴、上(中)流出身の語彙、今では私語となったこの時代特有の表現を使っている、
古風で気取ったキャラクターなんでしょうね。
あとケイトの台詞にはお品のない成句(簡単な単語の組み合わせ)が多い。つまり美人だけど育ちは良くないみたい。
sit on one's hands やる気がない
rattled 狼狽した
activate 始動させる
detained 拘束された
get wind of 嗅ぎ付ける
on a plate 努力せずに、簡単に
sod 罵る
tear down 中傷する
persuasively 説得力をもって
RAF =Royal Air Force イギリス空軍
handover 引き継ぎ
dignitary 要人
pond USとUKの間では大西洋のこと
scout 偵察に出る、探しまわる
discreet 目立たない
do a runner 逃げる
a good seeing to = a good, hard, fuck 痛い目、または文字通りセックス
harridan 意地悪ばばあ
put on ice 中止/延期する
PRC = People's Republic of China
on the cards ありそうな
cut out for 向いている
muggins マヌケ
kindred spirit 気の合う人
bloomer ミス(という意味も。なんで?)
delegate 代表
check out 裏付けがとれている
incompetent 無能者
angle 不正な手段、策略
undermine (名声などを)ひそかに傷つける
leer 色目を使う、流し目を送る (*これ、現代語?70年代だからいい?)
not in so many words はっきりと口に出して(言ったわけではない)
screw (俗、軽蔑的)セックスする
put in a good word for someone (人)を弁護する
covert 秘密の
meticulous 極めて注意深い
warhead 爆弾
sabotage 破壊/妨害工作
negligence 不注意、過失
sinister 悪意のある
pass out 飲んだくれる
set someone up (人)を罠にかける
perceive ~に気づく
dense 頭の回転が鈍い
render ~の状態にする
surveillance 監視
deport 本国送還する
wild goose chase 骨折り損
schematic 図表
fabricate ねつ造する
nonetheless それでもなお
codswallop たわごと
冒頭からユリアとの回想シーン、ロンドンのジョーのフラット。(あれ?ユリアとのことはポーランドやロシアで起きたと思っていたので意外でした。)室内の壁ははげてる所もあるし、絵も写真も飾ってないので、ユリアに「ホテルみたいにつまらない。あなたらしいものがない。」と言われます。そういう部屋がジョーの匿名性を表していて、実は非常に彼らしいのですよね。この時にジョーはユリアにやっと本名を明かした、付き合い始めの頃だったから、ユリアは彼のことを知りたかったんでしょうが。
アルカディはすでにソビエトの信用は失っているかもと疑うジョーに、ダディは「The Game is still on.」と言ってタイトルに入ります。「まだ獲物は泳いでいる」くらいの意味?(キャビプレのファンはヘンリー5世→シャーロック・ホームズに受け継がれたこの台詞を勉強しましたね!)
このタイトルバックが、当時の新聞やロンドンのスカイライン(当然シャードやロンドンアイはない)がセピア色で重ねられ、そこに赤くソビエトの象徴が差し込まれ、渋~~い。ここで、視聴者を70年代の空気に引き込む狙いを感じます。ベルリンの壁崩壊前でしたからね。西側にとってソビエトの怖さは本物だった時代。
Katharine(ケイト) Wilkinsonという女性がアルカディからコンタクトされます。MI5チームがレストランで彼女を観察しましたが、プロにはプロの見分けがつくようです。ボビーにも「36歳、独身、親戚なし、職業は・・・、米国国防省の愛人あり」と調べられてる。(スパイには狙われたくないですな。)肝心の彼女が受け取ったアルカディからの伝言は「Detained by Bears.」。彼女が何を伝えられたかを捜査するのが今回の使命です。
サラとアランはケイトのフラットに盗聴器を仕掛けに侵入。ドアの前にある小さなガスか電気のレンジ、私も使った事あります。あれでもオーブンがちゃんとついてるんですよ。この時代、ちゃんとしたフラット(家の間借りでない)もbed-sit(ドア開けたらいきなりワンルーム)が多かったのかしら。ジョーのフラットといい。
その頃ジョーとジムはケイトを尾行して駅のカフェです。ケンブリッジ経由Lakenheathと向かったいうことは、キングスクロス駅の設定ですね。パリッとベルベットのジャケットを着て盛ったヘアスタイルのケイトのことを
ジム「あんな普通の女の子がどうして国を裏切ったりできるんだ?」
ジョー「かわいい(pretty)って意味?」
ジム「いや・・・あ、そうかな。人生苦労ないだろうに。」
・・・・ジムにもジョーにも彼女は美人の範疇に入っているということですね。私、このドラマの美人基準ちょっとよくわからないけど、若くて金髪でというステレオタイプじゃないことは良しとしよう。
ケイトが向かった場所は空軍基地のある土地、アメリカの飛行機が到着した情報をMI5は入手していますが、そのことをアメリカに知られてはならないので早まった行動は許されません。うむ、イミテーション・ゲームの時からスパイ行為の鉄則か。アメリカは核兵器をイギリスに持ち込んでいるのか?秘密編成チームがジョー&ジムとは別に向かいます。
ケイトと同じ電車の同じ個室に乗ったジョー、同じペーパーバックを駅の売店で買い込み作戦開始。戦闘態勢に入ったジョーはいつもと違う顔が見えておもしろい。エピ2の娼婦の視線でも思ったけれど、こんな女に困らなそうな男が積極的に女性に接近するのはそれだけで不自然なのに、人好きしそうな人格まで装ってかなり怪しいです。でも美人スパイに要人がコロコロやられるように、そのまた逆もありなん。でも美女の媚態は見慣れてるけど美男のそれは見慣れないので平静では見られないです。私が焦っても意味ないけど。
しかしジョーは尾行を悟られ、車内チェイスをした挙げ句、ケイトはMI6だと自己申請・・・?!
地下駐車場のような所でケイトに質問するジョー。車内でもみ合った時にケイトがロシア語で話したのはなぜか知りたいジョー。はい、私も知りたい。しかし彼女は解放され(MI6だと確認とれたのかな)謎は残った。
ジョーが身体を張っていた頃、ダディは中国人ダンサーの元へ通い、なんと亡命をお願いされてしまう・・・そうか、この頃、中国ももうひとつの共産党国家(一応今もだけど)、私がわからないのは、彼女は香港人だけど72年当時は英国植民地、それでも亡命しないと長期で外国には住めなかった・・・?
ダディはダンサー、メイの書類をウェンディに処理するよう渡し、これが結局ボビーの手にも渡って来ます。(状況はニクソンの中国への出方にもよる、と同僚も言ってましたが、イギリスにとっての冷戦とはアメリカと組んで、ソビエトだけでなく中国も向こうに回していたのだと改めて。)ボビーの家に間借りしているウェンディは、話のついでにうまくボビーに丸め込まれてメイの楽屋に盗聴器入りの花を送ることになります。ボビー、うまい。
ところでダディがこっそり会った男は、ケイトの上司、MI6の幹部Cですね。MI5のジョーがロシアスパイと思って拘束したのがMI6の人間だったことで2人の間にちょっとした緊張が。ダディによればC、ケイトの愛人チャンバーズと何やら取引していると。そしてCがLakenheathにケイトを送ったこともわかりました。(ところでC、アントン・レッサーだ。暗いトンネルの中で顔はよく見えなくても声でわかるよ、新米モースでも裏切りのニュースでも偉い人w)
チームの会議にて:アランの盗聴でケイトがロシア人カスミアと会うのを知り、ダディはチームに現場を押さえるよう命令します。ダディはボビーがカスミアについての情報を逃していたと示唆、ボビーはカチン。さらにダディはジョーに彼女を誘惑して二重スパイに仕立てる命令を。ここでジョーの脳裏に過ったのがユリアとの過去。つまりユリアとの出会いも似たような状況だったということか。(色男スパイも辛いですね。女スパイの方が非情になりきれるような。男の方が恋愛に後を引くとは言いますが、本当だなあ・・・)
と言いつつ、作戦決行するジョーを見るのはまたおもしろい。別の人格を演じるスパイを演じるなんて俳優として楽しいでしょうね。あ、この感情は下手な芝居をうつシャーロックに受けるのと同じかな。
ワインを片手にケイトのフラットににっこりと現れるジョー。
「Boy Scouts. Book club president. ボーイ・スカウト、読書部部長です。」
わはは。ケイトを拘束した時に彼女がジョーをなじった時の言葉を逆手にとってます。これ日本のドラマでやったら「ふざけないでよ!」とドアを閉められそうですが、受けたケイトは入れてくれる。いや日本でも関西だったら受けをとれば入れてくれるのかな?(私だったらマジ読書部マネージャーやりたい!)
ジョーが真っ向からやって来たことにケイトは呆れてますが、ひるまぬジョーがワインボトルで戦闘態勢を崩しません。とその時停電で部屋は真っ暗に。
ジョーは、電車で会った時にケイトが自分を恐がった理由をきくと、
K「口では口説いてるみたいなのに、ボディランゲージが、目が、そういう時の男のものじゃなかった。」
J「僕が流し目を送らなかったからKGBだって?」
K「本当は、主に、本よ。同じ手を私も使った事あるから。でも違うのはね、いつもまず本の背を折るのを忘れないようにしてたわ。」
ケイト、互角!とジョーも思ったのだろう、単刀直入に彼女がなぜカスミアと会ったのか尋ねました。この辺で逆にケイトの方が質問してきます。なぜカスミアと彼女にMI5が目をつけているのかと。(最初6とか5とか意味わかりませんでしたが、MIを略してたのですね。)ジョーがケイトのことを「Boundless.」(無限)だから、と言い寄る姿勢を崩さないので、ケイトはますます呆れたお姉さん顔に。
K「本当?たしかにいいでしょうね。あなたはキレイだし、ふたりともプロなわけですもの。で、それで?私がプロの訓練を忘れて、あなたにクラっときちゃう?ペラペラしゃべっちゃう?」
J「チェンバーズとは6の命令で寝ていたのか?」
K「6は決して私に命令しないわ。何をしろなんて。あなたは5に私とヤレって言われたの?」
J「何をしろとは言われていない。」
K「こうしない?あなたは今晩はお休みなの。そしてただ知りたいことを私にきけば?」
J「君はソビエトの工作員か?」
K「ノー。どうしてそう思うか教えてくれる?」
J「ノー。」
この後、ジョーは、尻尾を捕まえられて一生刑務所暮らしをするか、二重スパイとなり5に協力するかどちらを選ぶかききます。この時オーデンの名前にケイトは反応しませんでしたね。そして彼女の答えはどちらでもなく、尻尾は出さずにダディが賭けに負け仕事を失う、と。でもジョーのことはいいお友達だから弁護する、と。(ケイト姐さんかっこいい・・・この2人は同類の絆を持つのかな?)
同時刻、サラ&アラン、ダディ、ジムはカスミアの家を張り込み。街も真っ暗。家の主が外出したので2人は侵入して盗聴を仕掛ける。意外にも主はすぐに帰宅するが、サラは壁の絵の後に何か見つけて取り出した。それは銀行明細とアンナ・カレーニナからの1節。サラは何とケイトのフラットに電話し、ジョーにケイトの本棚にあるアンナ・カレーニナの本を調べるよう命令する。果たして本には数枚の紙が挟んであった・・・!驚くケイト。
それはLakenheath(基地)の核爆弾搬送を含む詳細な情報だった。KGBに気を取られている間にアメリカが核爆弾を運び込んでいたのだった。ダディチームは、ケイトはその爆弾をアメリカ側の事故に見せかけ破壊する計画だったと推理。チームは当初、ケイトの情報入手先はアメリカ人チェンバーズと読んでいたが、ジョーがケイトとの会話により疑わしいことに気づいた。
そのチームミーティングが解散した後、ジョーはアランを捕まえ情報をもう一度調べるよう頼みます。ちょっとここ、私話がよくわからなかったのだけど・・・・?
そしてジョーはケイトをもう一度取り調べ。レストランで男からの電話伝言「Detained by bears」の意味を尋ねますが、「ただの2人の隠語『二日酔い』でKGB暗号ではない。本の情報は見た事もない。カス
ミアが私が6だと気づき罠にかけたんだ。」と。彼女のうろたえよう・・・確かにそれが本にあったことは知らないようだけど、だからシロとも言えない・・・と私は思ったけど、ジョーはこの尋問中に本名をケイトに明かします。それって彼女を信頼したってことでしょうか。
そのカスミアは行方不明となったので、彼の追跡をケイトが協力することに。
結局ウェンディはボビーの命でバレリーナ・メイに盗聴花束を送ったことはダディにばれてしまいます。ここでウェンディはダディに彼女の行動規範を尋ねられるんですよね。数年秘書だった彼女にはボスの命令を聞くことしか知らなかったのですから、彼女の職業意識が揺れます。
そして調査によりメイには夫があることを知ったダディ。どうする?!ダディ。
ボビーの家の屋根裏に間借りしているウェンディは、帰宅してボビーと猛烈ママの会話を聞いてしまいます。ボビーが公に結婚さえしていれば、誰と何をしようが勝手だけれど・・・って、ウェンディとの仲を身分違いの情事だとでも勘違い?
盗聴テープをダディに知られたとは知らないボビーに、ウェンディは破棄したと伝えます。そして何と彼女によれば、ダディはメイを国外退去にすると。バレエ団からクビにも。(え?!そんな勝手だぞダディ)そして、間借りは続けると宣言します。あれ?ウェンディの真意がちょっとわからない。ウェンディは猛烈ママの勘違いを利用してボビーを助けることで優位に立とうとしている?ゲイだと気づいてる?ボビーも複雑な表情で部屋を出ました。
ケイトの情報を頼りに失踪したカシミアを追うジョーとジム。(MEN’S BATHって店に書いてあるけどこれってゲイのナンパ場?と思った私は間違いですか?この時代はホモは犯罪だし??)スチームの中に見つけたのは、刺されてバスタブで瀕死のカスミア。カスミアは果たしてオーディンを知っていました。オーディンに操られ、10年間彼女に騙されたと思いケイトを陥れたとジョーは聞き出しました。
シャツに血をつけたままチームに戻りミーティングのジョー。ジョーの説はカスミアがソビエトスパイで、ケイトはシロ。ダディの解釈は、アルカディの裏切りを嗅ぎ付けたKGBが前エピで死んだトムの失敗以来MI5にカモフラージュのため意味のない捜査をさせたと。しかしそれではなぜ核爆弾情報を犠牲にしたのか説明がつかないが、アランが再チェックしたアンナ・カレーニナ情報はロシア製ではなく、おそらくケイトが作ったのだと言って来ました。しかも60%は本物で40%は精巧なねつ造だと。それもKGBのMI5を惑わす作戦か?
ここでこのエピは終わりですが、捜査の途中に、おしどり夫婦のサラ&アランのプライベートがさりげなく出て来ました。彼らは子供が欲しいけどなかなか恵まれないのですが、アランはサラが避妊薬を持っていることを知ります。!!サラが表面上は夫ラブラブな妻なのにアランを騙しているのは、彼女がKGBスパイだからでしょうか。
<単語集>
このドラマで使われた状況での意味をピックアップしてます。主に英辞郎。
ボビーの台詞に、私がよく調べなくてはならない単語や表現が出現するんですが、
彼の高学歴、上(中)流出身の語彙、今では私語となったこの時代特有の表現を使っている、
古風で気取ったキャラクターなんでしょうね。
あとケイトの台詞にはお品のない成句(簡単な単語の組み合わせ)が多い。つまり美人だけど育ちは良くないみたい。
sit on one's hands やる気がない
rattled 狼狽した
activate 始動させる
detained 拘束された
get wind of 嗅ぎ付ける
on a plate 努力せずに、簡単に
sod 罵る
tear down 中傷する
persuasively 説得力をもって
RAF =Royal Air Force イギリス空軍
handover 引き継ぎ
dignitary 要人
pond USとUKの間では大西洋のこと
scout 偵察に出る、探しまわる
discreet 目立たない
do a runner 逃げる
a good seeing to = a good, hard, fuck 痛い目、または文字通りセックス
harridan 意地悪ばばあ
put on ice 中止/延期する
PRC = People's Republic of China
on the cards ありそうな
cut out for 向いている
muggins マヌケ
kindred spirit 気の合う人
bloomer ミス(という意味も。なんで?)
delegate 代表
check out 裏付けがとれている
incompetent 無能者
angle 不正な手段、策略
undermine (名声などを)ひそかに傷つける
leer 色目を使う、流し目を送る (*これ、現代語?70年代だからいい?)
not in so many words はっきりと口に出して(言ったわけではない)
screw (俗、軽蔑的)セックスする
put in a good word for someone (人)を弁護する
covert 秘密の
meticulous 極めて注意深い
warhead 爆弾
sabotage 破壊/妨害工作
negligence 不注意、過失
sinister 悪意のある
pass out 飲んだくれる
set someone up (人)を罠にかける
perceive ~に気づく
dense 頭の回転が鈍い
render ~の状態にする
surveillance 監視
deport 本国送還する
wild goose chase 骨折り損
schematic 図表
fabricate ねつ造する
nonetheless それでもなお
codswallop たわごと