終業式後、冬期講習で学校に通っていたJK。
それも昨日で一段落。年が明ければセンター試験に向かってカウントダウンが待っている。
昨日帰ってきてぼそっと言った。
「勉強はもういやだけれど、もうこうして嫌いだろうが苦手だろうが、クラスで座って皆で勉強するのってないんだなあと思ったら、なんか寂しくなった」
楽しかった高校生活も、あとほんの少しだ。そんな思いもあるのだろう。
最後の最後にとった世界史の講習で、担当の先生が終わりに生徒たちに淡々と語りかけたらしい。
「さあ、これでおしまいだ。君たちはよく勉強した。世界史という学問をしっかり学んだ。自信を持っていい。
世界史なんてやらなくても困りはしない。そんな勉強をさぞや苦しかったろうと思うが、ここでやらなくてすんだものと君たちは、この先必ず変わってくる。学問とはそういうものだ。君たちがここで学んだ世界史は、君たちが50になっても60になっても君たちのものだ。
受験で点数がとれなくても気にしなくていい。受験は君たちを落とすためのものだから、点が取れないのは君たちのせいではなく、出題者のせいだ。気にすることはない。
大丈夫だ! 君たちは良く学んだ。 先生はその事を知っている。」
JKは模試で世界史の点数が上がらず困り果てていた。過去問に取り組んだここ数日、ようやく点数が上向きになってきた。そんなJKに先生の言葉はじゅんと沁みわたったようで涙が出ちゃうと思ったら、隣からずるっという音がしたらしい。
隣の席は苦手な数学をあきらめて、3教科で国立大学に挑む男の子。思いは深かったのだろう、我慢ができなくなり机に突っ伏して泣いていたそうだ。
私はこの先生に感謝したい。学ぶことの本質をきちんと子どもに伝えてくださった。
それで十分なんです。勉強したことが大切で、志望校に合格できることはそれについてくるものなんです。
そうは思っても、彼らの奮闘ぶりを垣間見ると、どの子も夢がかなうとよいと思ってしまう。