「やさしいため息」★★★★☆オススメ
青山七恵著、173ページ、1200円
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/43/376202a2a9b5361d6619c4decb34e84d.jpg)
長く音信不通だった弟が一人暮らしの主人公の部屋に
やって来た。
何気ない会話をするが
その一部は本当で一部は嘘だ。
会社では同僚と仕事以外の付き合いは無いが
弟には色々話したり、飲み会に出たりしていると言った。
そんな嘘をついてもつかなくても
別に何も変わることもないのに
それが無いと自分の毎日の生活が
モノクロで殺風景だと漠然と感じているのかもしれない。
この本に出てくる主人公をはじめとして
その弟や弟の友人や会社の同僚など
皆、生活観が希薄だ、
汗とか涙とか感動とか大声とか
およそ劇的なものから遠い存在だ。
でもそんなものかもしれないとふと思う、
日常なんて鮮やかな色なんてほとんど無くて
モノクロで昨日も先月も昨年も
似たようなことをしているのだ。
そんな毎日を繰り返しながら
それをなんだか少しつまらないなと思う、
出来たらなにかしら前進というか、
同じ繰り返しのなかでも、自分らしい色づけみたいな
ものが加わっていたらいいなぁと思う。
人に語る自分の生活は
「こうありたい」という部分に少し嘘が入っているかもしれないが、
それは人を騙す嘘じゃなく
微かな未来をしめしているようで。
弟が現れ、主人公の生活に少し色が付けられていく、
そして読んでいるこちらにも
自分のことを少し考えさせる
不思議な小説だ。
青山七恵の本は全部読んでいるが
だんだんと表面上の文体は読みやすくなっている、
簡単に読めてしまうが、語られていることは
その平易な文章だからこそなのか、
語られない奥行きが感じられる。
芥川賞の「ひとり日和」よりは「窓の灯り」が好きだったが
この小説は好きだ、
人間はややこしい生き物だけれど
ややこしく書くのでなく、やさしくやさしく書いても
ちゃんと人間に届くのだ。
★100点満点で90点★
5月に出版されて直ぐに読みきったが、もう一度読み終えて
やっと感想を書いた。
soramove
★参考になったらココもクリック!←ランキング上昇ボタン
才気煥発って感じはないが、これからもしっかりと追いたい
作家のひとりだ。
★映画ランキングはこちら
青山七恵著、173ページ、1200円
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/43/376202a2a9b5361d6619c4decb34e84d.jpg)
長く音信不通だった弟が一人暮らしの主人公の部屋に
やって来た。
何気ない会話をするが
その一部は本当で一部は嘘だ。
会社では同僚と仕事以外の付き合いは無いが
弟には色々話したり、飲み会に出たりしていると言った。
そんな嘘をついてもつかなくても
別に何も変わることもないのに
それが無いと自分の毎日の生活が
モノクロで殺風景だと漠然と感じているのかもしれない。
この本に出てくる主人公をはじめとして
その弟や弟の友人や会社の同僚など
皆、生活観が希薄だ、
汗とか涙とか感動とか大声とか
およそ劇的なものから遠い存在だ。
でもそんなものかもしれないとふと思う、
日常なんて鮮やかな色なんてほとんど無くて
モノクロで昨日も先月も昨年も
似たようなことをしているのだ。
そんな毎日を繰り返しながら
それをなんだか少しつまらないなと思う、
出来たらなにかしら前進というか、
同じ繰り返しのなかでも、自分らしい色づけみたいな
ものが加わっていたらいいなぁと思う。
人に語る自分の生活は
「こうありたい」という部分に少し嘘が入っているかもしれないが、
それは人を騙す嘘じゃなく
微かな未来をしめしているようで。
弟が現れ、主人公の生活に少し色が付けられていく、
そして読んでいるこちらにも
自分のことを少し考えさせる
不思議な小説だ。
青山七恵の本は全部読んでいるが
だんだんと表面上の文体は読みやすくなっている、
簡単に読めてしまうが、語られていることは
その平易な文章だからこそなのか、
語られない奥行きが感じられる。
芥川賞の「ひとり日和」よりは「窓の灯り」が好きだったが
この小説は好きだ、
人間はややこしい生き物だけれど
ややこしく書くのでなく、やさしくやさしく書いても
ちゃんと人間に届くのだ。
★100点満点で90点★
5月に出版されて直ぐに読みきったが、もう一度読み終えて
やっと感想を書いた。
soramove
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才気煥発って感じはないが、これからもしっかりと追いたい
作家のひとりだ。
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