HAKATA PARIS NEWYORK

いまのファッションを斬りまくる辛口コラム

東コレの裏を見る。

2008-04-02 17:28:07 | Weblog
 今年も大盛況を博した東京ガールズコレクション(TGC)に対し、JFW(ジャパンファッションウィーク)の東京コレクションはイマイチの盛り上がりだったようだ。
 3年前に日本発のファッションを世界に発信し、欧米や急成長する中国に対抗しようと始まったJFW。国が積極的に支援しているにも関わらず、欧米はもちろん、国内メディアの反応はよくない。
 東京コレクションには若手のデザイナーが次々に登場し、クリエーションや技術のレベルも年々上がっている。なのにバイヤーもメディアもまずはパリやニューヨークを見てからと、自国のファッションを後回しにする。何とかならないものだろうか。
 ただ、デザイナー側にも問題がないわけではない。創る努力やショーを演出する苦労は惜しまないが、服として着てもらおうという発想が足りない。パリコレのイメージだけを吸収して、背景にあるグローバルクローズというものをぜんぜん考えていないのだ。
 パリ発のブランドがバックでどれだけ世界のお客のことを考えているのか。日本の若手デザイナーにはその勉強が足りない。派手なショーさえ開催できれば、バイヤーやメディアが飛びつくという錯覚。これを捨てない限り、プロのデザイナーとして生き残っていくのは難しいはず。この際、このことを肝に命じて欲しい。
 この警告は、何もデザイナーにビジネスに走れという意味ではない。観客がこんなものを待っていたと思うようなクリエーション。それは上質で、カッコ良くて、着たくなる服である。デザイナーに売れる服や儲かるファッションなんて求めていない。試着の時にドキドキするような気持ちにさせてくれる服だ。
 そんなの欲しいお客は100人中、1人かもしれない。つくれば1着10万円かもしれない。でも、着たい人がいれば、ビジネスにはなる可能性は高いはずである。…続く。
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