東北地方太平洋沖大地震から3日目の夜10時過ぎ、デジタル6チャンネルのTBSでは、松原、膳場両キャスターが地震情報を報道していた。その時、突然、福岡ローカルRKB毎日放送のニュースのスーパーが入った。
「商業施設やイベント会場で明日から…地震の義援金を呼びかけ。福岡県や福岡市の庁舎にも募金箱を設置」
義援金募集はすでにいろんなところで始まっている。こんな当たり前のニュースがどんな意味をもつのか。それは「FACo(福岡アジアコレクション)」を予定通り、実施するということだ。前回、評論した「ファッションイベント」が中止されることもなく、一部の利害関係者のために強行されるのである。
どうせ、会場での義援金募集もショーでの黙祷も、日本中が自粛ムードと節電の中で、「自分たちへの批判の矛先を変える」パフォーマンスに過ぎない。 着の身着のまま、食べるものも、住むところにも事欠く被災者を差し置いて、 利益を優先する神経にはまったく呆れ返る。
ショーを中止した場合、プロデューサーのRKB毎日放送は「事業収益」がゼロになるし、チケットの払い戻しなどで大混乱する。イベント会社のアイグリッツは、13日に開催するはずだった神戸コレクション東京を中止しており、FACoまで止めるとなるとタレントのスケジュールブッキングが難しくなる。それ以上にすでに払ったギャラが戻ってこないかもしれない。
スポンサーにも思惑がある。今回初めてついた博多阪急やアミュプラザ博多は、駅ビルの開業景気が完全に吹っ飛んでおり、今一客の入りが悪い「商業施設」をアピールするには何としても、FACoを集客の起爆剤にしたい。
順延すればシーズンに入ってしまうし、参加メーカーにとっても小売りにとっても意味を持たなくなる。会場押さえやタレントのスケジュール調整はますます困難だ。
しかし、そこまでして金儲けしたいのか。まったく恥を知れと言いたい。資金を出す福岡県、福岡市はいったい何をしているのか。麻生知事がひと言「即刻中止」と表明すれば済むことだ。高島市長も「こんな時に、意味のないイベントなんかやってる場合ですか」と、求めれば良いのだ。それが首長であり、政治力ではないのか。まったく、政治家の無能、無策ぶりが表れている。
それも福岡アジアファッション拠点推進会議を取り巻く一部の利害関係者の思惑で、すべてが決まっていくからだ。まったく談合集団と化している。
思えば、1991年、湾岸戦争が勃発した時、パリコレデザイナーの中には、自らのコレクションを中止したデザイナーもいる。それは反戦キャンペーンでも、顧客アラブへの配慮でもない。世界と人々の安寧があってこそ、ファッションの目的が達成できると考えるからだ。今回の震災は戦争ではないが、何の落ち度もない人々が命を落とすことでは共通する。
寒さに震える被災者にとってトレンドファッションなんて何の意味も持たない。 音響や照明などで莫大な電力を使われることはかえって迷惑な話だ。パリコレのデザイナーなら、これだけでショーを取りやめるに余りある。
何でショーをやらないで、集めたチケット代やタレントのギャラを全額被災者に寄付しようという発想ができないのか。そっちの方が世界、アジアに対して最良のメッセージを発し、はるかに福岡アジアコレクションの知名度やブランド力を上げることになる。そんなことも判らないのか。
アイグリッツの神戸コレクション東京の中止は賢明な判断である。FACoだって中止することはやぶさかではないはずだ。まだ、時間はある。即刻ショーを中止し、温かい衣類や毛布を送り、復興のためのボランティア活動に切り替えるべきだ。でなければ、福岡アジアコレクションは地に堕ちてしまい、RKBは民放のクズと言われかねない。
「商業施設やイベント会場で明日から…地震の義援金を呼びかけ。福岡県や福岡市の庁舎にも募金箱を設置」
義援金募集はすでにいろんなところで始まっている。こんな当たり前のニュースがどんな意味をもつのか。それは「FACo(福岡アジアコレクション)」を予定通り、実施するということだ。前回、評論した「ファッションイベント」が中止されることもなく、一部の利害関係者のために強行されるのである。
どうせ、会場での義援金募集もショーでの黙祷も、日本中が自粛ムードと節電の中で、「自分たちへの批判の矛先を変える」パフォーマンスに過ぎない。 着の身着のまま、食べるものも、住むところにも事欠く被災者を差し置いて、 利益を優先する神経にはまったく呆れ返る。
ショーを中止した場合、プロデューサーのRKB毎日放送は「事業収益」がゼロになるし、チケットの払い戻しなどで大混乱する。イベント会社のアイグリッツは、13日に開催するはずだった神戸コレクション東京を中止しており、FACoまで止めるとなるとタレントのスケジュールブッキングが難しくなる。それ以上にすでに払ったギャラが戻ってこないかもしれない。
スポンサーにも思惑がある。今回初めてついた博多阪急やアミュプラザ博多は、駅ビルの開業景気が完全に吹っ飛んでおり、今一客の入りが悪い「商業施設」をアピールするには何としても、FACoを集客の起爆剤にしたい。
順延すればシーズンに入ってしまうし、参加メーカーにとっても小売りにとっても意味を持たなくなる。会場押さえやタレントのスケジュール調整はますます困難だ。
しかし、そこまでして金儲けしたいのか。まったく恥を知れと言いたい。資金を出す福岡県、福岡市はいったい何をしているのか。麻生知事がひと言「即刻中止」と表明すれば済むことだ。高島市長も「こんな時に、意味のないイベントなんかやってる場合ですか」と、求めれば良いのだ。それが首長であり、政治力ではないのか。まったく、政治家の無能、無策ぶりが表れている。
それも福岡アジアファッション拠点推進会議を取り巻く一部の利害関係者の思惑で、すべてが決まっていくからだ。まったく談合集団と化している。
思えば、1991年、湾岸戦争が勃発した時、パリコレデザイナーの中には、自らのコレクションを中止したデザイナーもいる。それは反戦キャンペーンでも、顧客アラブへの配慮でもない。世界と人々の安寧があってこそ、ファッションの目的が達成できると考えるからだ。今回の震災は戦争ではないが、何の落ち度もない人々が命を落とすことでは共通する。
寒さに震える被災者にとってトレンドファッションなんて何の意味も持たない。 音響や照明などで莫大な電力を使われることはかえって迷惑な話だ。パリコレのデザイナーなら、これだけでショーを取りやめるに余りある。
何でショーをやらないで、集めたチケット代やタレントのギャラを全額被災者に寄付しようという発想ができないのか。そっちの方が世界、アジアに対して最良のメッセージを発し、はるかに福岡アジアコレクションの知名度やブランド力を上げることになる。そんなことも判らないのか。
アイグリッツの神戸コレクション東京の中止は賢明な判断である。FACoだって中止することはやぶさかではないはずだ。まだ、時間はある。即刻ショーを中止し、温かい衣類や毛布を送り、復興のためのボランティア活動に切り替えるべきだ。でなければ、福岡アジアコレクションは地に堕ちてしまい、RKBは民放のクズと言われかねない。