HAKATA PARIS NEWYORK

いまのファッションを斬りまくる辛口コラム

メンズ向けのエコバッグはどうだろう。

2013-05-06 14:09:37 | Weblog
 業界では雑貨業態の開発が目白押しだ。すでにマスマーケットの攻略にはウエアのみでは勝負にならないのと、海外勢の日本上陸が刺激になって、既存業態で雑貨強化に走ったり、新規業態を作り上げるところが増えている。
 ただ、ご多分に漏れず、雑貨アイテムでもメンズ狙いは、蘊蓄やこだわり、機能性が開発のキーワードに不可欠と思われているようで、どうしてもファッション性を追及したものはほとんど見当たらない。

 まして、使い捨ての代名詞のような「エコバッグ」なんて、売り出すメーカーなんかないし、いいとこセレクトショップのキャリーバッグか、欧米ブランドのノベルティを代用している諸兄がほとんどだろう。
 トラック用の幌を再利用したメッセンジャーバッグもあるけど、「まち」が狭くて入るのはせいぜい雑誌が2~3冊程度。最近はブリーフケースでさえ、i-padの普及で薄型になっており、ものを入れるには馴染まなくなっている。2リットルのミネラルウォーターや料理用の結球野菜なんかの買い物用ではスポーツバッグくらいしかないのだ。

 これは作るしかないだろうと、ずっと考えていてようやく制作にこぎつけた。まずメンズバッグのサイズは、幅は40cm前後、高さ30~35、36cmが黄金比率だろう。それにまちは10cm以内。これ以上厚いと、ついものを入れ過ぎかえって重たくなってしまう。それに手提げは間抜けに見えるから、ショルダータイプが多少重たくなっても使い勝手がいい。

 問題は素材である。よくノベルティで配られている不織布やボリエステル素材で安っぽい。かといって革を使うと重々し過ぎてる。学生時代に一度、タオル地で信玄袋を作ったことがあるが、こしがないので重いものは入れにくい。昨年、11号「帆布」を使って試作品を作ってみたが、本体はミシンで縫えるものの、ショルダーベルトの袋返しが結構たいへんだった。

 それに帆布は無地だから、デザイン性を出すにはディテールに異素材を付けるか、出来上がりにブランドロゴなんかをシルク印刷するしかしない。そうした加工は1点ものには不向きだから、やはりプリントの生地がいい。ただ、街の生地屋では適当なものが見当たらない。女性向けの花柄か、子供向けのキャラクターがいいとこだ。

 意外だが、エコバックはわざわざ買うお客は少ないようだから、スタイリッシュなプリントものはレディスでも見当たらない。それゆえ、市販で袋向けの生地を探すなんて一苦労だ。そんなことを考えていた時、昨年、地元にオープンした北欧のインテリアストアにファブリックがあることを思い出した。



 ネットで検索すると、Anna Salanderというテキスタイルデザイナーのモノクロでグラフィカルなカンバス地がイメージにどんピシャだった。現物を確認するとで、柄のピッチも丁度いい。ただ、キャンバスといってもインテリア用ファブリックだから帆布ほどの厚みはない。そこでインテリア雑貨コーナーにあったクッションカバーを貼り合わせてリバーシブルにすることにした。



 あとは幅40cm程度にまちの部分、口の部分の折り返しを加えて用尺を計算するだけ。作りは袋状にして両端をミシンで縫って、下の左右を三角形に折ってまちを作り、縫い代に留めた。口は5cmほどを二重に折り返し補強。肩ひもは余った帆布を貼り合わせてリバーシブルにし、口の両脇に上から挟んで縫い合わせただけだ。

 生地のみみにデザイナーとストアの名前がプリントされていたので、その部分を切り抜いて、ブランドロゴ風にして縫い付けた。出来上がりを見てふと思ったが、以前ならF・O・B COOPあたりが売ってそうなデザインだ。制作時間1時間、材料費:生地1m899円、クッションカバー499円也。量産すれば2,000円以内で納めることはできなくはないだろう。でも、世の男衆がどれほど持てる勇気があるか。意外に外国人男性に受けるかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする