荻野アンナという名前、何となく知っている。
どこかの会員誌に出ていた、彼女のエッセイを読んだこともある。芥川賞も受賞しているんですね。
『けなげ』って-子供などが物事に真剣に取り組んでいる姿・・・・などを意味するかと思うのですが、本の内容とあまり結びつかないような???
作者自身の生活をそのまま切り取った内容。
高齢な両親との3人家族、単身の彼女が仕事と両立させながらすごして行くめまぐるしい日々。母親が腰が弱くて怪我をしたり、父親が発病して救急車で運ばれるなど思わぬハプニングに作者の精一杯な24時間。
画家の母親とフランス系アメリカ人で日本語が全くわからない父親、そのための手間(通訳)に彼女が振り回される。慶応義塾大学文学部フランス文学科教授というハードな仕事をしながら。
1人っ子だから彼女がやるしかないのだけれど、ほんとにスーパーウーマンな日常!時間との戦い、両親との感情のぶつかり合い、、、、そして鬱を抱えながら。
そんな出来事を綴った合間に、家族全員で通う整体院の女性院長の苦労話が挿入されている。さらに院長の実母の生涯が語られる。
中国から引き上げてくる院長の実母の大変な惨状と体験・・・・このあたりを読んでいる時ちょうど終戦記念日でした。ワタシがこのタイミングでこの場面を読む?軽いエッセイを読むつもりで選んだ本だったのに><;
最後のほうでもう1人、父親の入院や通院に指名している女性タクシードライバーの事が語られる。半端じゃないお嬢様で育った彼女が、なぜ今タクシー乗務員なのか。
作者(女性)&女性整体師とその実母、さらに女性タクシードライバー、4人の女性の健気に頑張っている姿。女ながらにけなげにも・・・これがテーマかな?