『はらから』という言葉は聞いたことがあるが、普段使う言葉ではないし、『うから』は全く知らない言葉だけれども、両方とも万葉集にもみられる和語とのこと。
和語と言われてもピンとこないが、漢語や外来語以外で日本固有の単語・・・らしいです。
来栖家の娘(1人っ子)が主な主人公だと思うのですが、彼女の別れた夫が語る章・実父の章など他の主な登場人物がそれぞれに第1人称になって語られていく。
その時々の心情を本人が語るから面白い。(3面記事の「実は・・・」みたい^^;)
彼らが血縁や義姉弟・義母・恋人・元夫など何らかの繋がりを持ち、ギクシャクしながらも心配をしたり助けあったり・・・最後にはお正月に全員が来栖家に集まる風景がある。
現実にこんな関係が、無理なくそれぞれ許しあって仲良くつながって行く事ってあるだろうか?
嫌いじゃないけど新しい恋人への気持ちを優先して離婚し、両方の関係を続けながら未婚の母となる主人公。
60代になってから、人生で初めて自分で決断をして離婚を望み1人暮らしを楽しむ主人公の母&その夫である主人公の父は傷心の中、娘より若い恋人を見つけて再婚する。そんな若妻に隠れて元妻に定期的に会いにも行く。
そんな彼らがケンカ別れせずに行き来をする事が実際あり得なく思うが、これが作者のおおらかさだろうか?微笑ましくて、うらやましくもあり、安心して読んでいられて面白い^^
人の繋がりって血縁はあまり関係ない?みたいですね^^;