会社勤めから何の迷いもなく結婚して家庭に入り、一人娘を育てている主人公の小夜子。
娘のあかりは3歳になるが、公園へ遊びに連れて行くたび公園での母親同士の確執が小夜子には苦手で鬱陶しく感じる。
そんな気を遣わなくて済むように、数か所の公園へ行きながら結局家から離れた公園に行くようになる。公園でのあかりの子供同士の関わり方を見ても自分と同じように気軽に仲間ができるようなあかりではない。
小夜子は仕事を始めれば、いろいろ悩んでいることが解決するのではないかと思い、就職活動を始める。
そして採用された会社が女社長で同じ大学の同期だった。
章を変えて、女社長の葵の高校時代からの事が語られる。
葵は小中学とずっといじめられていて高校進学の時、葵の希望で母親の実家がある県へ引っ越す。そこで友人もでき、目立つことなくグループの中で過ごし、唯一なな子という親友を心の支えにして高校生活を過ごす。
葵はなな子と海の家へアルバイトに行き、そのまま家&学校に戻らず、新聞沙汰を起こしてしまう。
小夜子はその頃、友人たちにのけ者にされる時期と重なり、その事件をよく記憶していた。
その事件の本人が葵だったという事に驚くと同時に、そのことで思い悩みながら葵を理解し連帯感を感じるようになる。
30代半ばの小夜子たち、かってワタシもそれぞれの年代で思い悩み、なんとか潜り抜けてきた。
外見はみんな自信があって幸せに暮らしているように見えるが、自分と同じように事柄は違っていても悩みながら日常をやり過ごしているんだと思う。
自分だけ特別だと思う必要は無い!と思いました。
『・・・友達の多い子は明るい子、友達のいない子は暗い子、暗い子はいけない子。そんなふうに誰かに思い込まされている・・・・』
『けどさ、ひとりでいるのが怖くなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいても怖くないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、大事な気が、今になってするんだよね』
髪を切った時など、変かな?と友人に確認すると『へっ?そんなの誰も見てない!気にしてるのはアンタだけ!』と何かと笑われたものです。
気にしている(悩んでいる)のは自分だけ!人から見たらなんでもない事^^v